思わぬ落とし穴も
ドックへビデオカードを格納する作業はデスクトップPCに組み込む作業と大差ない。前述の通り格納用スペースが十分なので極限オーバークロック向けのウルトラハイエンドカードでない限り組み込み作業問題は10分もかからないはずだ。
しかし注意点がある。GS30 2M Shadowの起動プロセスではUEFIのみを使うのがデフォルトになっているため、ビデオカードのBIOSがUEFI非対応だと、電源を入れても画面が出力されないことだ。
今回検証にRadeon R9シリーズのリファレンスカードを用意したが、どちらもUEFI非対応であったため、比較的最近(とはいえ1年ちょっと前)のカードでも非対応のものがある、という点に注意しておきたい。
あらかじめBIOS設定を切り替えておけば済む話だが、知らないと焦るので注意しておきたい。
ビデオカードの性能がフルに使える!
それではGS30 2M Shadowに実際にビデオカードを組み込み、本体だけの時に比べ性能がどの程度伸びるかチェックしよう。構造的にはPCI Express 3.0 x16接続なのでバスがボトルネックになる心配は不要だが、現行のハイエンド級カードでどう動くかが見ものだ。
今回テストしたのは次の4枚のビデオカードだ。本来ゲーマー向けの製品であること、本体に内蔵されているGPUがIris Pro 5200でもあるため、組み込んで意味のあるビデオカードはミドルレンジ以上のビデオカードとなるだろう。
検証ビデオカード
- MSI「GTX980 GAMING 4G」(GeForce GTX 980)
- MSI「GTX960 GAMING 2G」(GeForce GTX 960)
- Radeon R9 290X リファレンスカード
- Radeon R9 270X リファレンスカード
手始めに定番「3DMark」からチェックだ。内蔵GPUもテストに参加させるため、負荷の軽い“Sky Diver”でのスコアもチェックしている。
GTX980(OC版だが)ならFire Strikeで1万ポイントを超えることからも、現行ハイエンドのビデオカードをドックに組み込んでもしっかり回せているようだ。
自分が遊びたいゲームとビデオカードの性能、そしてカード購入予算のバランスでビデオカードを選べばよい、というのはありがたい。
では実際の重量級ゲームではどうか、ということで「Watch_Dogs」を試してみる。解像度1920×1080ドット、画質“最大”を中心に画質関係はすべて高めの設定だが、GPUレンダリングフレームは「1」、アンチエイリアスは「テンポラルSMAA」に設定。街中を移動する際のフレームレートを「Fraps」で測定した。
さすがにこのゲームでは内蔵GPUだと視線を動かすにも一苦労。しかしそんなゲームでも、ミドルレンジのGTX960やR9 270Xを追加すればようやく平均40~50fpsのレベルに到達できる。
ただ、内蔵GPUでも画質の自動検出設定(ただし解像度のみ1920×1080ドット)にすれば、平均20fps前後はなんとか出せる。Iris Pro 5200の威力は内蔵といえど侮れるものではない、ということも追記しておこう。
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