今度のキャデラック CTSはスマホと連携強化!
昨年春に日本導入されたキャデラックCTSがフェイスリフトを行ない、このたび、上級グレードの「プレミアム」が日本で発売された。
CTS プレミアムは、BMW 5シリーズやメルセデス・ベンツ EクラスがライバルのEセグメントにおけるプレミアムセダンとして開発され、アメリカ本国はもとよりフランスなどの欧州でもビジネスエクスプレスとして高い評価を得ている。
今回のフェイスリフトでは、ミリ波レーダーとカメラ制御による自動ブレーキが追加されたことで、全速度域で追随するアダプティブオートクルーズを装備、カメラ感知による車線逸脱防止機能のレーンキープアシストといった先進的な安全機能を装備した。それらに付随する警告機能は、シートの座面が振動することでドライバーのみに警告を行なうので、同乗者が気にならないのもうれしい。
内装色は、今回の試乗車の外装色であるブラックダイアモンド専用のブラック&レッドで、カーボンパネルのアクセントにもレッドの繊維が織り込まれており、かなり凝った作りになっている。
また、面倒な駐車もパーキングアシスト機能で自動的に駐車位置にクルマを誘導してくれる。今まで一部のキャデラックに装備されていた縦列駐車モードに加え、今回のCTSプレミアムには並列駐車モードも装備されたことにより、あらゆる駐車のシチュエイションに対応できるようになった。
センターコンソールに配置される液晶モニターは、オーディオやエアコンなどを操作し、ナビゲーション画面も表示するCUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)システム。今回はこの機能に注目する。
CUEの操作パネルの下部にあるメッキの縁取りがタッチセンサーになっており、ここに触れると操作パネルが開く。開いたところにはトレイが装備されている。なんと、ここは非接触充電Qi(チィ)規格の充電トレイとなっているのだ。
スマートフォンなどを非接触充電するためのワイヤレス充電器はトヨタやホンダではオプション(一部の車種では標準搭載)として用意されていたが、輸入車として標準装備されているのはキャデラックが初めて。これは、非接触充電を研究開発していた米パワーマット社にキャデラックブランドを擁するゼネラルモータースが積極的に投資を行ない、車載充電器を製品化・標準装備品化できたから。だからこそスマートフォン収納に最適な場所に、最初から設置できたのだ。なお、日本モデルではワイヤレス充電器がPMA規格に加えてQi規格も搭載されている。
今回の取材では、Qi規格の充電ジャケットを装備したiPhone 5sを使用しているが、なんら問題なく充電されていた。充電が行なわれている際は、CUE液晶画面の電話アイコンの位置に充電を示すインジケーターが表示される。Qi規格に準拠した製品であれば、ほぼ全て充電が可能とのことで、充電ジャケットや充電アダプターなどが装備してあればスマートフォンの機種は問わずに充電できる。
また、Bluetooth接続機能も強化されており、iPhoneの場合は音楽再生以外にもハンズフリー通話に必要な電話帳の表示や、ショートメールの受信にも対応する。
電話機能をCUEの液晶画面に表示させた場合は、充電中のスマートフォンの電池残量や電波の強度なども表示されるので、スマートフォンをトレイに置いたままでディスプレーがオフの状態であっても、端末の状態を確認できるのは便利。非接触充電とBluetoothのおかげで、完全にワイヤレスでスマートフォンと連携できるのである。
ビジネスエクスプレスとして評価されるキャデラックCTSは、もちろんスマートフォンだけを相手にしているわけではない。アームレストのボックス内にはシガーライタータイプの12Vソケット、USB端子が2ポート、100V電源も装備し、ノートPCへの給電もできる。このボックスはノートPCのACアダプターが余裕で入るサイズなので、置き場所に困ることもないだろう。
(次ページでは、「キャデラック CTS プレミアムの走りをチェック!」)