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異なる太陽電池を接合することで波長を無駄にせず超効率化が可能

産総研、発電効率30%の次世代多接合太陽電池を開発

2014年07月07日 17時46分更新

文● 行正和義

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スマートスタック技術を用いた多接合太陽電池

 産総研(独立行政法人 産業技術総合研究所)は7月7日、異なる種類の太陽電池を直接接合できるスマートスタック技術を開発したと発表した。

スマートスタック技術の模式図とパラジウムナノ粒子の電子顕微鏡像

 太陽電池は使用する半導体材料の組み合わせにより、電気に変える光の波長が異なる。異なる太陽電池セルを重ね合わせる太陽電池も存在するが、半導体結晶を成長させる気相成長法や、真空中でプラズマ接合するなど、複雑な工程が必要なためパネルが高価なものになり、宇宙用や集光発電など限られた用途にしか使えなかった。

従来のモノリシックスタックと今回開発したスマートスタック技術

 新たに開発された技術は、半導体表面にパラジウムナノ粒子を分散させ、異なる太陽電池セルを重ね合わせるというもの。やや複雑な化学的工程は必要となるが、これまでの気相成長法やセルスタックに比べると非常に安価に製造できるという。

スマートスタック技術により試作したGaInP/GaAs/InGaAsP/InGaAs 4接合太陽電池のI-V特性 変換効率~30.4%、開放電圧~2.82 V。最適セルの組み合わせにより効率40%以上が実現可能。

 パラジウムナノ粒子によって太陽電池それぞれは電気的・光学的にほぼ損失無く接合でき、短い波長/長い波長それぞれで発電するセルを重ね合わせることでパネルの効率が上がり、試作した3種接合太陽電池では変換効率24.2%、4種接合太陽電池は変換効率30.4%という高効率が得られた。

 産総研では、量産化に向けた低コスト製造技術の開発とともに研究開発を進め、発電効率40%以上のパネルを一般的に利用できることを目指すという。

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