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業界人の《ことば》から 第68回

働く女性の優先度

ヤフーは、モバイルにどう対応すべきか知らなかった、それは危機的状況でもあった

2013年12月04日 15時00分更新

文● 大河原克行

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才能があり、環境は整っていた、青信号を出すだけ

 ここでマイヤーCEOが示したのが、自らの経営者としての役割についてだ。

 「ヤフーが進むべき道は、モバイルであると信じていた。だが、ここ数年、ヤフーは何度も方針が変わってきた」と前置きし、「ヤフーには、優秀な人がたくさんいる。また、長年勤務している人が多く、忠誠心が高く、いいアイデアもたくさん持っている。なにが課題で、どうすれば解決するかもわかっている。問題は、それを実行させるために青信号を出す必要があったという点であった。そこに私の仕事があると考えた」とする。

 マイヤーCEOは、自らが大きなプランを描くのではなく、社員からアイデアを集め、それを実行できるようするのが役割だとする。

 「こういう方向に行くんだ、という道をクリアにし、障害物を取り除き、仕事がやりやすいような環境を作り、チームが全力で走れる環境にすること。チームが攻撃をして、エグゼクティブがディフェンスすることが理想の姿である」と述べた。

仕事しやすさを阻害する要因

 また、メイヤー氏は、社員に対して、仕事をする上で、邪魔になっていることを聞いたら、1000個以上もの要望があがってきたという。これらの要望をもとに、プロセス上で障害があるものを解決し、仕事をやりやすいようにしたという。

 メイヤー氏は、CEO就任から約3ヵ月後の2012年9月、男児を出産するという、シリコンバレーでも、極めて異例の状況で、CEOの仕事を継続してきた。

 メイヤー氏は、「私の生活は、決してスムーズではない。いろいろな波がある」とし、「今日も、子供のおむつをクルマの後部座席で変えなくてはならない状況だった。時間がなく、常に忙しく動き回っているという状況はこれからも変わらないだろう」とする。

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