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決め手はパケット処理に特化したネットワークプロセッサー

200GbpsのOpenFlowスイッチを展開するNoviFlowの実力

2013年11月11日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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OpenFlow/SDNを導入した場合の課題の1つがネットワークのパフォーマンスだ。ネットワークプロセッサーを導入したユニークなOpenFlowスイッチを開発するカナダのNoviFlowのエグゼクティブ2人にSDNの課題と同社のアプローチについて聞いた。

ASICやホストCPUではパフォーマンスに限界あり

 OpenFlow/SDNが注目を集めるようになって久しい。当初はデータセンターにおけるネットワーク仮想化や自動制御を目的としていたが、昨今ではキャリアのWANでの利用も試されるようになり、エンタープライズ領域も視野に入ってきた。こうした需要を見越して、さまざまなネットワーク機器ベンダーが次々とOpenFlowスイッチを市場に投入している。カナダの新興ベンダーであるNoviFlowも、こうしたスイッチを提供する1社だ。NoviFlow CEOのドミニク・ジェドソン氏は、「サーバーの仮想化が進んでいるのに、ネットワークの仮想化はあまり浸透していない。今でも85%はトラディショナルなスイッチを使っている」と述べ、OpenFlow/SDNの市場が今後拡大していくという見込みを示した。

NoviFlowのVP Sales ジェスパー・エリクソン氏とCEOのドミニク・ジョドエン氏

 ケベック大学のネットワークリサーチプロジェクトからスタートした同社は、OpenFlowスイッチの開発・販売にフォーカスしている。「OpenFlowやSDNに関する多くの資金はコントロールレイヤーやアプリケーションに注がれているが、これらは大手のテリトリーだ。一方で、インフラのスイッチにはあまりフォーカスされていない」(ジョドエン氏)とのことで、NoviFlowはスイッチに特化し、コントローラーに対してはAPIを提供する。

あくまでスイッチの領域にフォーカスするNoviFlowのポジション

 とはいえ、Pica8のようなコモディティ製品やアリスタのようなデータセンターに特化した製品を提供しているわけではない。同社の特徴は、OpenFlowスイッチでありながら、プログラマブル可能なネットワークプロセッサーを用い、非常に高いパフォーマンスを実現しているという点だ。

高いパフォーマンスと互換性が売り

 こうした製品を投入する背景には、OpenFlowにおけるパフォーマンスと互換性の問題がある。NoviFlow VP Salesのジェスパー・エリクソン氏は、「(高速な)ASICやFPGAを用いた製品の多くは、ほとんど1.0対応。最新のOpenFlow1.3をサポートしていない。また、ハードウェアなのでアップグレードもなかなか難しい」という課題を指摘する。一方、仮想マシン上で動作するvSwitchに関しては「ホストCPUを使うので、パフォーマンスが上がらない。いってコアあたり5Gbps程度だ」と述べる。しかもデータセンターにおいては、非常に多くのフローを処理しなければならず、キャパシティ面でも課題がある。

 その点、パケット処理に特化したネットワークプロセッサーを採用するNoviFlowの「NoviSwitch」は、従来の製品に比べて大幅にパフォーマンスを実現する。最新の製品では1Uスイッチでスループットで最大200Gbps、処理可能なフロー数も100万エントリを実現しているという。また、プログラマブルな点もメリット。「新しい規格が出ても、ネットワークプロセッサーであれば、3~4ヶ月でアップデートできる。これは既存のASICでは難しい」(エリクソン氏)とのことで、NoviFlowではOpenFlow 1.3を完全にサポート。実験的な要素の強いOpenFlowの仕様に対しても高い互換性を確保できる。実際、メジャーな8つのコントローラーとの接続検証が済んでおり、OpenFlowの標準化を行なっているONFのお墨付きも得ているという。

NoviSwitchは32ポートで100Gbpsの1132と48ポートで200Gbpsの1248の2モデルが用意されている

 さらに、パフォーマンスを保ちつつペイロードをすべて精査しているので、OpenFlowならでは詳細なトラフィック管理も可能だ。「大学のリサーチプロジェクトから時間をかけて開発しているので、ネットワークプロセッサーは他社と差別化ができている」(ジョドエン氏)と述べており、他社の追従を容易には許さないという。

 日本においてはネットワークバリューコンポネンツ(NVC)が独占販売代理店契約を取得し、通信事業者やデータセンターに展開する。「OpenFlow/SDNに関しては、日本が米国を完全にリードしている」(ジョドエン氏)とのことで、先進的な市場からのフィードバックにも大きな期待を寄せている。また、将来的なロードマップも見えており、まずはプロセッサーコアをデュアル化することにより、現在の倍のパフォーマンスを実現する予定だという。

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