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IEEE 802.11acからワイヤレスHDDまで――最新無線LAN事情 第2回

実測! IEEE 802.11acルーター4台は爆速か!?

2013年06月26日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

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MZK-1200DHPとUSB 2.0接続のIEEE 802.11ac対応子機の組み合わせ

MZK-1200DHPとUSB 2.0接続のIEEE 802.11ac対応子機の組み合わせ

 参考としてMZK-1200DHPを親機とし、USB 2.0接続のIEEE 802.11ac対応子機(最大通信速度433Mbps)の通信速度も計測した。

 IEEE 802.11acの高スループットを享受するにはUSB 2.0のデータ転送速度では十分ではない。しかし所有しているノートPCにUSB 3.0ポートが搭載されていない、というケースも少なくはないだろう。

 その際はUSB 2.0接続の子機を選ばざるを得ないわけだが、その場合、近距離ではかなりの速度が期待できる。

 遠距離ではやや心許ない結果になってしまったが、逆に同じ親機・子機を使って、2.4GHz帯での通信を計測してみたところ、遠距離での速度低下はそれほど見られなかった。当然ながら速度はそれほど出ないものの、状況によって使い分けできるという意味では利便性は向上するだろう。

家の中で無線LANが遅い・つながりにくい そんな状態を解消できる特効薬が802.11ac

 IEEE 802.11acの高スループットがもたらす恩恵は、インターネットへの接続の高速化というよりも、家庭内の無線LANにおけるデータ転送速度の高速化だ。ノートPC、スマホ、タブレット、ハイビジョンテレビ、BDレコーダーなどなど、家庭内ではLANに接続して高速なデータ通信を必要とするデバイスがどんどん増えている。

 それらの機器でハイビジョン映像のような重いコンテンツを楽しむ場合、従来の無線LANのスループットでは快適にデータのやりとりができないことも少なくなかった。

 有線LANに接続できるものはルーターからケーブルを伸ばせばなんとかならないでもないが、無線LAN機能しか搭載しないデバイスはスループットが低ければもうお手上げとなる。そんな高速通信が求められる無線LANに巧妙をもたらすのがIEEE 802.11acなのである。

 さらに、これだけ無線LANデバイスが増加してくると、無線LANの通信で長らく使われてきた2.4GHz帯は、無線ルーター以外にも電子レンジやコードレス電話、無線キーボード・マウスなどなどさまざまな機器で使われていて電波干渉を受けることが少なくない。

 さらに、昨今の無線ルーターの普及によって、集合住宅などでは近隣の無線ルーターの複数の電波がひしめき合うことによって、やはり電波干渉が起きやすい状況となっている。結果として通信速度が遅くなったり接続が不安定になったありと満足のいくデータ通信ができないこともある。

 そこで無線LAN製品では電波干渉の多くない5GHz帯の活用が進んでいて、IEEE 802.11n機器の登場でそれなりの利用が進んだ。

 そしてこのIEEE 802.11acでは、5GHz帯での帯域幅制限が緩和されたことによって、より5GHz帯を活用した快適なデータ通信が可能となっている。また、MIMOの進化によって、障害物の多い環境でも安定した電波で高速のデータ通信が可能というメリットもある。

 まだまだIEEE 802.11nなどの無線LANルーターに比べて割高感のあるIEEE 802.11acだが、快適さを求める(現状で満足な接続環境が得られていない)のであれば、思い切って買い換えてしまってはいかがだろうか。

次回は無線LAN内蔵デバイスをいろいろ紹介!

これはソニー製のオシャレなお皿……ではなく無線LANデバイス。何かは次回紹介!

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 最終回となる次回はIEEE 802.11acからは離れるが、無線LANを使用したさまざまなデバイスを紹介していきたい。無線LAN内蔵のHDDやメディアサーバーと呼ばれる、一見よくわからないが使うと便利な機器をチェックしていく。

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