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いい音で音源を楽しむための基本を解説 PCオーディオ入門 第5回

野村ケンジが教えるPCオーディオの基本

佐武宇綺が学ぶ! AirPlay

2012年11月01日 23時00分更新

文● MacPeople編集部、講師●野村ケンジ、生徒●佐武宇綺、写真● 今井宏昭

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AirPlayってなに?

 iPhoneやMacなど、アップル社製品を使っているとよく「AirPlay」という言葉が出てきます。DockスピーカーやAVアンプなどの説明にも、「AirPlay対応」と書かれていたりします。では、このAirPlayとは、いったいなんでしょうか。それは、無線LANを活用し、ワイヤレスで音楽や映像を再生したり、コントロールしたりするアップルの独自規格です。

AirPlayは何が便利なの?

 ワイヤレスで音楽再生ができる規格には、このほかにもBluetoothやAirPlayのベースとなっているDLNAなど、いくつかの方式があります。そういった中でAirPlayが優位なのは、
●音がいい
●使いやすい
という2点です。いまスマートフォンなどで主流となっているBluetoothは、もともと通話用を主眼としたヘッドセットを想定している規格なので、音楽再生用としては音質的にまだまだ不足しているところがあります。
 一方、対応機器も数多くが登場しており、普及しているのがDLNAという規格です。こちらはLANを活用するため、音質的には十分なクオリティーを確保しています。しかも有線無線問わず、別の部屋に置いてあるプレーヤーから再生できたりと、とても便利なのですが、パソコン的な要素が強く、設定が大変だったり、使い勝手に多少のクセがあったりします。
 そんな状況の中で、Appleロスレス形式の音声信号伝送を行っているため音がよく、そしてアップルならではのユーザーフレンドリーな操作システムによって使い勝手がいいと注目されているのが、AirPlayです。いつも使っているiPhoneから、直接AirPlay再生できるのですから、これほど使いやすいものはありません。

AirPlayシステムの仕組み

 AirPlayは、ワイヤレスで手軽に、しかもいい音で音楽再生ができる便利な規格ですが、中でも「手軽さ」は特筆すべき点で、導入時に煩雑な操作はまったくといっていいほど必要ありません。対応機器をLANに接続するだけで、すぐに使い始めることができます。
 では実際に導入する際、どんな機器が必要となるのでしょうか。実は、AirPlayのシステムは、大雑把にいって3つの役割に分かれています。
1 コンテンツの保管場所
※音楽ファイルが置いてある場所。MacやiPhone、iPad、NASなど
2 コントローラー
※再生をコントロールする機器。iPhoneやiPad、Macなど
3 プレーヤー
※音楽を再生する機器。MacからDockスピーカー、専用プレーヤーまで多々あり

 実はこれ、ベースとなったDLNAでも同じシステムを採用しているのですが、これらを個別に設定しなければならないDLNAに対して、AirPlayはすでに設定が完了している状態で、しかも音楽ファイルの置かれている場所を意識せず、いずれの機器からもコントロールができます。
 また例えば、iPadを使ってDockスピーカーで音楽再生をする場合、1と2の役割をiPadが、3の役割をDockスピーカーが担っています。一方で、1がNAS、2がiPad、3がネットワークプレーヤーという、本格的なオーディオシステムを構築することもできます。こういった対応システムの幅広さも、AirPlayの魅力と言えるでしょう。

オススメAirPlayシステム

 便利でいい音が楽しめるAirPlayの中でも、特にオススメのシステムプランをいくつか紹介しておきましょう。

●AirPlay対応のiPod用Dockスピーカーを活用する
 とてもシンプルに、AirPlayならではの手軽さ、音のよさを活用できるシステム。Dockに差さず、手元での操作にも対応します。

●ネットワークプレーヤーとNASを導入し、本格ピュアオーディオを楽しむ
 CDプレーヤーに変わる新世代プレーヤーとして、AirPlay対応のネットワークオー ディオプレーヤーを導入。本格オーディオシステムで極上のサウンドを楽しむのもなかなか素晴らしいものです。しかもこのシステムで再生できる音楽は、同時に別の部屋に置かれているAirPlay対応Dockスピーカーなどからでも再生できます。

●AVアンプを導入
 最新のAVアンプは、AirPlayに対応している機種が多く、加えて専用アプリを用意しています。iPadやiPhoneなどからコントロールできるため、AirPlayとの整合性はかなり高くなっています。AVアンプというと、多機能ゆえに操作が複雑というイメージがありましたが、iPhoneアプリとAirPlayのおかげで、かなり利用しやすくなっています。

 このように、ワイヤレス音楽再生においては、操作が簡単で便利なAirPlayが大いに好評を博しており、対応機器も数多く登場しています。皆さんもぜひ一度、AirPlayを体験してみてください。これまでとは次元の異なる便利さに、大きな魅力を感じるはずです。

オーディオの基礎、まとめ

 オーディオの基礎知識について、いくつかの重要ポイントや最新トレンドをレクチャーさせていただきました。そのいずれも、ぜひとも覚えていただきたい、覚えておくと役に立つ知識ですが、結論として、最も重要なポイントを伝授しましょう。それは、「音楽をとことん楽しむ」ということです。
 いい音で音楽を聴く、というのは、音楽をより楽しみたい、より深くより身近に感じたい、ということを追求する方法論のひとつであって、それ以上でも、それ以下でもありません。自分が楽しめる音を目指すのが、いい音のオーディオを求めていくうえで最も重要です。そのため、人によっていいと思える音が違うこともあります。「いい音」と言われているのは、先人が数多の時間を割いて追求してくれた「リアルさ」なので、大いに参考にすべきではありますが、それに振り回されすぎないよう、気をつけなければなりません。
 まずは何を持っていい音と定義されているかを知り、そして自分にとっていい音を求めていくといいでしょう。

──────AirPlay対応スピーカー紹介──────
Mac_Audio_201210_05_jbl

●AirPlay対応スピーカー JBL ONBEAT AIR 実売価格:3万円前後

問い合わせ:ハーマン・インターナショナル株式会社
http://www.harman-japan.co.jp/jbl/

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