6月23日、ファーストサーバは6月20日に発生した大規模障害に関して、共用サーバーおよびVPSサービスにおいて「データ復旧は不可能と判断した」と発表した。専用サーバーサービスにおいても要望があれば行なうが、復旧の可能性は低いという見通しを明らかにしている。
同社では障害発生後、サーバーを初期化することで、サービス自体の再開を進めてきた。しかし、Webやメールなど損失したデータに関しては、当初から復旧は保証できる状態になく、ユーザー自身で取得したバックアップを初期化したサーバーにリカバリすることを推奨してきた。そして、今回の発表で顧客データの復旧は事実上、断念したことになる。
障害対象となるサービスは、共用サーバーのビズ/ビズ2、専用サーバーサービスのエントリービズ/エンタープライズ3、VPSサービスのEC-CUBEクラウドサーバ マネージドクラウドで、契約顧客数は5698件と発表された。なお、障害対象以外のサービスは約4万5000件ということで、ファーストサーバの顧客のうち、1/10がデータ損失の被害にあったことになる。
あわせてサービス約款に従う損害賠償を行なう旨も発表された。時期、手続、方法等については現在検討しているとのこと。なお、約款においては、他のレンタルサーバー事業者と同じく、バックアップはエンドユーザーが行なうものと定められており、またバックアップの不備に対するデータ消失に関する保証もない。
24日19時30分の更新では、専用サーバーサービスのエンタープライズ3シリーズにおいて、データ復旧作業に伴う「現バックアップディスク」の保全のため、新たなバックアップディスクへの換装作業を実施することが発表されている。