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スマート忍法 虎の巻~iPhone編

iPhoneを1万円強で本気のオーディオにする「Olasonic」の術

2011年12月16日 12時00分更新

文● ニンジャ盛田/ASCII.jp編集部

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卵型にしたのは音を正確に聴くためなのです

 で、サラッとスペックを書いたもの、入力は2.5Wでも出力は10W+10Wというのは一見意味不明な構造だが、その秘密は回路に仕込んだキャパシター(蓄電器)にある。大電力設計のピュアオーディオなどに使われてきたものだ。

 仕組みはシンプルに言えばバケツの水のようなもの。音楽にはリズムやメロディによって音量の上下がある。「下」のときに水≒電力をバケツ≒キャパシターにためておき、いざ「上」に来たときドカーンと放水≒出力すれば、音がスカスカにならないというわけ。

大音量の秘密はキャパシター(蓄電池)。ここに電力をためておき、一気に解放している

 小型スピーカーで消えがちな低域は、背面のパッシブラジエーターで補強。パッシブラジエーターは低域用のスピーカーだが、ただのコーンで磁石やコイルを持たない。前面のスピーカーユニットに共振し、自分では鳴らないためドロン(なまけもの)コーンとも呼ばれている。このなまけものがいることで低域(60Hz帯)が強められる。

 さらにメインユニットとパッシブラジエーターはぴったり同じ高さ、おなかと背中みたいな位置につけてあり、振動を防止するようになっている。

メインユニットと低域用のパッシブラジエーターはピタリと同軸上に設置され、振動を防止するようになっている

 そしてかわいさあふれる卵型だが、これも音質のための構造だ。球形/卵型は箱型にくらべて剛性が高く、つまり頑丈で、箱型に付きものの“定在波”、音の共鳴が少ない。綿のような詰めモノをキャビネットに入れる必要がなく、容積がフルに活かせるのだ。

 それと箱型では箱全体からの放射音があるため、(1)スピーカーから聴こえる音→(2)箱が反射した音、という感じでいくつかの音が混ざり、音像がぼやけてしまう。のだが、卵型ではその反射音を四方に散らせることで、純粋にスピーカーから聴こえる音だけがクローズアップされるようになっている。

 それらの技術はひとえに“原音を活かす”という目的のため。長らくピュアオーディオの部材をやってきた東和電子ならではの、こだわりを重ねた設計になっている。

卵はつるりとしたビスなしの構造。中央に1枚の板を渡して接合させている

マグネットは55mmのフェライトマグネットを使用。スピーカーは60mm

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