シャープはスマートフォンなどのモバイル機器向けの新型カメラモジュールを発表した。光学式手ブレ補正を搭載するのが最大の特徴で、今月発売予定の「AQUOS Phone」(NTTドコモの「SH-01D」、ソフトバンクモバイルの「102SH」)に搭載される。
幅11×奥行き11×高さ5.47mmという超小型のカメラモジュールにレンズシフト式の手ブレ補正機能を搭載。画素の一部を切り出す電子式とは異なり、フル画素で撮影できる上、手ブレ補正の精度も高く、AFにも対応する。
撮像素子は1210万画素の1/3.2型CMOSセンサー(他社製)を採用し、1080pの動画撮影も可能だ。
今回のカメラモジュールについて、同社電子デバイス事業本部 副本部長の本道昇宏氏は近年のモバイル機器の薄型・軽量化に加え、ユーザーが暗いところで撮るニーズが高いため、どうしても手ブレが激しくなる傾向にあると指摘。
このため光学式手ブレ補正が重要であると語った。一方でモバイル機器向けのカメラユニットに光学式手ブレ補正を搭載する難しさについても言及した。
初期のモバイル機器のカメラは、VGA+程度の解像度(約33万画素)で単焦点レンズという仕様で、搭載レンズも2枚だったが、最新のスマホなどは500~800万画素の解像度でAFも搭載するなどの高性能化により、搭載レンズは5枚にもなるという。
これによりレンズの光軸を合わせたり、小型かつ高画素のセンサーを扱うため、製造過程で小さなホコリなどが入らないようにする工程を整えなければならないなどの難題が多かったとのこと。
ちなみに同社は携帯電話向けカメラモジュールにおいて、2010年のグローバルシェアが17%となっており、2位の8%を大きく引き離してトップシェアを獲っている。
日本以外に中国やベトナムに生産拠点があり、月産1600万台の生産体制を構築しており、現在までの累計で約6億台のカメラモジュールを出荷している。
