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長~く使える極上のPCケース2011 第6回

読者プレゼントあり

長~く使える極上のPCケース2011【その他番外編】

2011年09月23日 12時00分更新

文● 宇野 貴教

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NOFAN「A40」

●URL:http://www.nofencomputer.com/eng/products/set_A40.php
●実売価格:3万5800円前後

ケース後ろ側3分の2は通気穴だらけになっており、斜めからでも向こう側が透けてみえるほどだ

無音PC向けの3点セット!

 NOFAN Corporationは韓国のパーツメーカーで、社名が表わすようにファンレスのケース、電源、CPUクーラーなどを販売している。今回紹介するこのNOFAN「A40」は巨大CPUクーラー「CR-100A」と電源ユニット「P-400A」、PCケース「CS-30」のファンレス製品3つをセットにしたものだ。

3つのパーツを組み合わせたファンレスPCシステム。長~く使える極上のPCケースとして評価するのはいささか酷なような気もするが、専用ケースを用意している非常に面白い製品なので、あえて取り上げてみた

 3つのパーツを組み合わせたファンレスPCシステムなので、この製品をPCケースとして紹介するのはいささか見当違いではあるが、本製品の冷却能力はいろいろなウェブサイトで検証されているので、ここではあえてPCケースとしての性能をチェックしていきたい。

デザイン的には10年くらい前のmicro ATX向ケースを思い出させる。あまり洗練されたデザインとは言い難いが、光学ドライブ用のベゼルカバーが5インチベイに搭載されているのは評価したい

ケースファン用スペースも用意されている。ただ、巨大なCPUクーラーのせいで取り付けられる可能性は低い

 ケースはmicro ATX向けのミドルタワー型だ。天頂、サイドパネル、フロント下半分のほとんどが通気口になっており、とにかく自然に空気が流れるのを妨げないようにいたるところに穴が空いた作りになっている。ファンレスをうたっているがリアパネルにはファン設置用のスペースがあるので、いざとなれば排気ファンを設置することも可能だ。

サイドパネルの通気口は両サイドに開けられている。穴だらけのせいかパネルもたわみやすく感じる

内部はシンプルで裏配線などのトレンドは搭載していない。右下に見える黒いものは付属のファンレス電源

超ビッグサイズのファンレスCPUクーラー

 ケースは通気口だらけということを除けば特筆すべき点はないのだが、ここからがこのメーカーの真骨頂。まず、付属のファンレスCPUクーラーは、巨大なバネの両端をくっつけて丸くしたようなユニークな形状をしており、上から見た直径は約226mm、高さは約132mmと初見で驚かない人はいないと断言できるほど巨大だ。また、放熱フィンがアルミ板ではなくNOFANが開発した「アイスパイプ」と呼ばれるワイヤー状のものというのも個性的だ。

付属CPUクーラーは、独特の形状と圧倒的なサイズが特徴的。インテル製CPU「Core i7」のリテールクーラー(写真右)と比較すると巨大さがよくわかる

CPU接触部に繋がっているヒートパイプは4本。2本ずつがそれぞれ半周し、全体に熱を伝えている

 ちなみにどれくらい巨大かというと、micro ATXマザーボード規格が244×244mmなので、マザーボードの上はほぼこのCPUクーラーで覆われてしまうことになる。CPUクーラーが大きいため拡張スロットは上から2段目までは使うことができず、3段目以降のみが利用可能だ。

付属のCPUクーラーを取り付けたところ。写真でもリアパネル接触ギリギリで、CPUソケットの位置によっては収まらない可能性がある

 メモリーもヒートシンク付きなど高さがあるものは干渉する可能性が高い。さらにマザーボードのCPUソケットの位置次第では、リアパネルとCPUクーラーが干渉する可能性もある。韓国NOFANのサイトに対応マザーボードのリストがあるので、導入前にかならずチェックしておく必要がある。

電源もファンレス
しかも400WでBronze認証付き

 ファンレス電源ユニットはフロント下部、つまり3.5インチベイの部分に立てた状態で格納されている。電源容量は400Wで80 Plus Bronze認証となかなかの高出力高効率のものを搭載している。
 そのぶんサイズは大きく、その反動で利用可能なベイは5インチベイ×2と3.5インチベイ×1のみ。しかも3.5インチベイは電源ユニットからのケーブルが邪魔でアクセスしづらい。ベイの運用は、5インチベイ2基をうまく活用できるかがカギになりそうだ。

ファンレス電源ユニットは3.5インチベイがあるべき部分に、縦に格納されている。3.5インチベイ部分に電源があるため、利用可能なベイの数は極めて少ない

 電源の位置が変則的であるにもかかわらず、コンセントへ繋ぐための延長コードが、邪魔にならないようケース背面まできれいに配線されている。ケース底部をくり抜き、うまく延長コードを逃しているあたりは見事と言えよう。

ケース底面から電源が見える。このままではコンセントにケーブルを差せないので、延長コードがケース内を通って背面まで配線されている

安価に完全ファンレス化したい人に最適!

 メーカーによると、利用可能なCPUはTDPが100W以下のもののみとアナウンスされているので、最近のCPUだとミドルレンジまでは十分対応範囲内だ。ミドルレンジクラスのスペックで無音ファンレスPCが組み上げられるのは魅力的だ。ただし、対応マザーボードや拡張スロット、少ないベイなど制限は多く、これらに対処できるスキルが必要な点は注意してもらいたい。
 また、PCケースはおまけで付属している程度と考えて購入しないと、やや期待はずれになるだろう。とはいえ、PCケース、電源、CPUクーラーの3点セットで3万5800円前後という価格を考えると、完全ファンレスPCとしてのコストパフォーマンスは非常に良いと言える。

ケース違いの兄弟モデル「A43」。実売価格は3万9800円前後

 なお、PCケース違いの兄弟モデル「A43」もラインナップしている。こちらに採用されているPCケースは、どう見てもアノ製品。詳細はリンク先を参照していただきたいが、現在でも人気のPCケースということで、ユーザーにはありがたいコラボモデルといえる。



読者プレゼント

 今回検証で使用したPCケース4台を、抽選で各1名様にプレゼントいたします(応募締め切り:2011年9月30日)。
 なお、製品は編集部で検証および撮影で使用したものになります。新品ではありませんので、破損、傷などによる苦情、返品、交換は編集部、メーカーともに受け付けられませんのでご了承ください。

本プレゼント企画は締め切りました。多数のご応募、ありがとうございました。(2011年10月01日)

プレゼント提供:アスク

【機材協力】

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