NOFAN「A40」
●URL:http://www.nofencomputer.com/eng/products/set_A40.php
●実売価格:3万5800円前後
無音PC向けの3点セット!
NOFAN Corporationは韓国のパーツメーカーで、社名が表わすようにファンレスのケース、電源、CPUクーラーなどを販売している。今回紹介するこのNOFAN「A40」は巨大CPUクーラー「CR-100A」と電源ユニット「P-400A」、PCケース「CS-30」のファンレス製品3つをセットにしたものだ。
3つのパーツを組み合わせたファンレスPCシステムなので、この製品をPCケースとして紹介するのはいささか見当違いではあるが、本製品の冷却能力はいろいろなウェブサイトで検証されているので、ここではあえてPCケースとしての性能をチェックしていきたい。
ケースはmicro ATX向けのミドルタワー型だ。天頂、サイドパネル、フロント下半分のほとんどが通気口になっており、とにかく自然に空気が流れるのを妨げないようにいたるところに穴が空いた作りになっている。ファンレスをうたっているがリアパネルにはファン設置用のスペースがあるので、いざとなれば排気ファンを設置することも可能だ。
超ビッグサイズのファンレスCPUクーラー
ケースは通気口だらけということを除けば特筆すべき点はないのだが、ここからがこのメーカーの真骨頂。まず、付属のファンレスCPUクーラーは、巨大なバネの両端をくっつけて丸くしたようなユニークな形状をしており、上から見た直径は約226mm、高さは約132mmと初見で驚かない人はいないと断言できるほど巨大だ。また、放熱フィンがアルミ板ではなくNOFANが開発した「アイスパイプ」と呼ばれるワイヤー状のものというのも個性的だ。
ちなみにどれくらい巨大かというと、micro ATXマザーボード規格が244×244mmなので、マザーボードの上はほぼこのCPUクーラーで覆われてしまうことになる。CPUクーラーが大きいため拡張スロットは上から2段目までは使うことができず、3段目以降のみが利用可能だ。
メモリーもヒートシンク付きなど高さがあるものは干渉する可能性が高い。さらにマザーボードのCPUソケットの位置次第では、リアパネルとCPUクーラーが干渉する可能性もある。韓国NOFANのサイトに対応マザーボードのリストがあるので、導入前にかならずチェックしておく必要がある。
電源もファンレス
しかも400WでBronze認証付き
ファンレス電源ユニットはフロント下部、つまり3.5インチベイの部分に立てた状態で格納されている。電源容量は400Wで80 Plus Bronze認証となかなかの高出力高効率のものを搭載している。
そのぶんサイズは大きく、その反動で利用可能なベイは5インチベイ×2と3.5インチベイ×1のみ。しかも3.5インチベイは電源ユニットからのケーブルが邪魔でアクセスしづらい。ベイの運用は、5インチベイ2基をうまく活用できるかがカギになりそうだ。
電源の位置が変則的であるにもかかわらず、コンセントへ繋ぐための延長コードが、邪魔にならないようケース背面まできれいに配線されている。ケース底部をくり抜き、うまく延長コードを逃しているあたりは見事と言えよう。
安価に完全ファンレス化したい人に最適!
メーカーによると、利用可能なCPUはTDPが100W以下のもののみとアナウンスされているので、最近のCPUだとミドルレンジまでは十分対応範囲内だ。ミドルレンジクラスのスペックで無音ファンレスPCが組み上げられるのは魅力的だ。ただし、対応マザーボードや拡張スロット、少ないベイなど制限は多く、これらに対処できるスキルが必要な点は注意してもらいたい。
また、PCケースはおまけで付属している程度と考えて購入しないと、やや期待はずれになるだろう。とはいえ、PCケース、電源、CPUクーラーの3点セットで3万5800円前後という価格を考えると、完全ファンレスPCとしてのコストパフォーマンスは非常に良いと言える。
なお、PCケース違いの兄弟モデル「A43」もラインナップしている。こちらに採用されているPCケースは、どう見てもアノ製品。詳細はリンク先を参照していただきたいが、現在でも人気のPCケースということで、ユーザーにはありがたいコラボモデルといえる。
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