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猛暑を乗り切れ! パソコンで節電特集 第3回

電源?それともSSD? 自作PCの節電に効くのはどれだ

2011年07月22日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

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節電のため小容量電源に
交換するのは効果があるか?

 なんとなく使っていたが、実はこのワークマシンには、出力600Wの電源ユニットが装着されている。ここまでのテストで消費電力を見る限り、600Wもの電力が必要になるか? という疑問が湧いてくる。そこで手元にあった出力450W電源に交換してみることにした。いずれもマイナーメーカーの低価格な電源ユニットであり、高効率で節電効果の高い「80PLUS」対応の高級電源とはほど遠いが、出力の小さな電源に交換することで、節電効果は期待できるだろうか?

 600Wと450Wの電源で、節電モードに設定した際の消費電力を計測してみた。

600W電源と450W電源での消費電力の違い

 結果はやや意外なもので、Windowsの動作中にはほぼ変化はなかった。電源のキャパさえ超えなければ、容量の大きい電源でも小さい電源でも、常時使用においての節電効果は薄いということがわかる。筆者の使用環境においては、600W電源は無用の長物だったという証左でもある。待機時やスリープ時の消費電力はほぼ半減した。半減とはいえ、元の数値がわずかであるから節電効果は小さい。

 節電目当てに電源を交換するならば、やはり80PLUSに対応した電源ユニットに交換するくらいはしないと、節電効果は期待できないと言えそうだ(関連特集)。

節電のためにHDDをSSDに交換してみる

速さが魅力のSSDだが、省電力の効果はどれくらいあるのだろうか?(写真はIntel SSD 320の300GBモデル)

 最後に、HDDを消費電力の小さいSSDに交換することで、どの程度節電できるのかを検証してみた。使用したSSDは「Intel SSD 320」(300GB)、交換前のHDDはHGST「HDS721010」(1TB)である。HDDの消費電力をスペックシートで見ると、アイドル時平均で8.4W、ランダムリード/ライト時は12.3Wとなっている。

HDDとSSDでの消費電力の違い

 驚いたことに、HDDからSSDに換装しただけで、総じて15W前後の節電となった。中でもアイドル時はさらに下がり、27Wもの節電効果がある。またSSDの場合、起動時間やシャットダウン時間、スリープの移行や復帰にかかる時間のそれぞれが高速となる効果もある。消費電力が高い時間が短ければ、それだけ節電効果が高まるわけだ。

 テスト環境では、起動時間が約75秒から約40秒へ、シャットダウン時間が約20秒から約8秒へ短縮された。またスリープへの移行時間は約32秒から約10秒、復帰時間も約22秒から約10秒へと短縮された。これらの短縮時間の積算分だけ消費電力が減らせるのであれば、導入コストはかかるとしても、デスクトップパソコンへのSSD導入は節電に大きな効果があると言えるだろう。


 トータルで見ると、高負荷時のテレビノートですら消費電力が100Wを超えないノートパソコンと比較したら、デスクトップパソコンは電力消費が多い、無駄飯ぐらいのパソコンであると言えるかもしれない。それでも、ここでまとめたように節電対策を施す余地はある。

 特に筆者のように、スリープすら顧みていなかったユーザーもいるだろうから、まずはマイクロソフトの指針に沿うような形で、省電力設定を施してみてほしいものだ。そして余裕があれば、高効率電源やSSDの導入など、節電に寄与するカスタマイズを施してみてはいかがだろうか。


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