各メーカーがパソコンに省電力機能を搭載する中、マイクロソフトもパソコンでの節電についての指針と設定方法を示し、「自動節電プログラム」も提供している。今回はマイクロソフトが示すパソコンでの節電のポイントとともに、大手メーカー製パソコンの省電力設定などが、実際にどれくらい効いているのか検証してみよう。
マイクロソフトの節電指針と自動節電プログラム
一口にパソコンで節電と言っても、設定できる項目は多岐に渡り、どこをどう設定すれば使い勝手を損なわずに適切な節電ができるのか、わかりにくい面がある。そんな状況を解消するべく、マイクロソフトは2011年5月に、Windows搭載パソコンに関する節電設定についての情報を公開した。
それによると、まずパソコンを使わない時間が約1時間45分以内であれば、「シャットダウン」するよりも「スリープ」したほうが、省電力に貢献するという。これは、シャットダウンと起動に必要な電力に待機電力を加えた電力と、スリープとスリープ復帰に必要な電力にスリープ待機電力を加えた電力を比較した場合、1時間45分を超えた時点で、はじめてシャットダウンのほうが省電力になるためという。
なおこれはWindows XPデスクトップの場合であり、Windows 7デスクトップの場合は約1時間40分、Windows XPノートの場合は約40分、Windows 7ノートの場合は約1時間50分が、シャットダウンとスリープの使用電力が逆転する時間とされている。
また、ディスプレーの輝度を100%から40%に低減することで、約23%の消費電力削減が実現できるという。さらにこれに加えて、離席後5分でディスプレーをオフに、15分で本体をスリープさせる設定をすると、平均で30%もの節電が可能になるという。
この設定は、「コントロールパネル」の「電源オプション」から「省電力」プランを選択したうえで、ディスプレーの電源を切る時間とスリープにする時間を設定するのが簡単でいい。Windowsの設定に慣れた人なら、追加の電源プランを作成してしまうのもいいだろう。こうした設定に関しては、特設ページ「Windows PC節電策」で詳しく公開されている。
電源オプションの設定は決して難しくないが、それでも設定の仕方がわからないパソコン初心者や、自分で設定するのは手間がかかるという人向けに、マイクロソフトは「Windows PC 自動節電プログラム」をサポートサイトで無償公開している。同プログラムをインストールすれば、推奨される省電力設定が自動で完了する。
そもそも、Windows 7の電源オプションには、あらかじめ「省電力プラン」が存在する。「だったらPCを節電しながら使うのであれば、それを選べばいいんじゃないの?」と思いがちだ。しかし実際のところ、Windows 7にデフォルトで設定されている省電力プランは、基本的にはノートパソコンをバッテリー駆動させたときに、「できるかぎり長時間稼働させるための設定」とされている。つまり、ACアダプターにつないで動作している状態では、まだ節電の余地があるということだ。
それを実現するのがこの「Windows PC 自動節電プログラム」というわけだ。メーカー独自の省電力設定ツールが導入されていないパソコンでも、インストールして省電力設定にしておくといいだろう。
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