ニコンからプロジェクター内蔵デジカメ(関連記事)が発表されたが、ケータイとプロジェクターを組み合わせたら!? そんな新発想のプレゼンテーションシステムがNECディスプレイソリューションズから発売された。
このシステムは、NECのモバイル文書閲覧システム「InfoFrame Document Skipper Mobile」とNECディスプレイソリューションズのBluetooth対応プロジェクター「NP62J」「NP52J」を用いたもの。携帯電話から会社のサーバーにあるデータにアクセスし、プロジェクターに画像を転送する仕組みだ。
営業や広報部門がプロジェクターを用いて企画会議でプレゼンテーション、あるいは営業先で社内の各種文書やデータを携帯電話で確認、というビジネスシーンも増えている。そうした需要に合わせて、USBメモリーやSDカードのデータを(PCレスで)表示可能なプロジェクター、PDFやWord/Excel/PowerPointのファイルを閲覧可能な携帯電話などがすでに登場している。これらは確かに利便性は高いのだが、携帯電話やUSBメモリーといった小型デバイスで社外秘のデータそのものを持ち運ぶため、セキュリティ上の問題が生じてくる。
今回発表されたシステムでは、新開発の携帯電話用アプリケーションを使って、データをローカル(携帯電話上のメモリ)には置かず、アプリを終了すればデータが残らないところが最大のポイントとなっている。専用サーバーへのアクセスはこのアプリでのみ接続可能になっており、期限付き認証などで携帯電話本体の紛失・盗難でも情報流出が防げる。
また、携帯電話の小さな画面でもデータを表示できるのだが、InfoFrame Document Skipper Mobileが表示デバイスに合わせて解像度などを変換する機能を持つため、プロジェクターにはより高解像度な画像データを渡せるようになっている。さらに複数ページにおよぶプレゼンテーションファイルの場合、一括して携帯電話に画像データをダウンロードするだけでなく、プレゼンテーションの進行に合わせて逐次ダウンロードする設定も可能だ。これによりプレゼンの前に長々とダウンロードで待たされることもなく、NP62J/NP52の内蔵キャッシュ機能を利用して、プレゼン画像を数ページ分先まで読み込むことで、スムーズにプレゼンテーションが進められる。
システム構成例は、コンテンツ変換・登録・配信用サーバー1台、InfoFrame Document Skipper Mobileを中心とするソフトウェア、NP52J(10台)という構成で、約500万円からとなる。対応携帯電話はauのBluetooth搭載モデル「E05SH」(法人向け製品)を基本としているが、FOMA用アプリも用意されており、主に法人向け携帯電話を中心に動作検証中とのこと(ただし、FOMAの法人向け携帯電話にはBluetoothモデルがないため、USB接続となる)。
法人向け携帯電話では紛失時の遠隔ロックや遠隔データ消去など、セキュリティーの面ではノートPC並みかそれ以上の機能を備えており、ビジネスシーンをサポートするアプリも充実してきている。スケジュール管理やドキュメントビューア、社外からのメール送受信だけでなく、より広範囲なビジネスサポートをセキュリティーを維持しつつも行える社内端末の延長として、ビジネスケータイはさらに活用されそうだ。