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ついに上陸解禁! 日本一有名な廃墟、軍艦島に行ってきた!【後編】

2009年04月19日 21時00分更新

文● 伊藤 真広

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上陸解禁より一足早く
見学通路のすべてを動画で大公開!

 さて、写真で見どころを紹介してきたが、実際に上陸してこの目で見たいという読者も多いことだろう。すでに上陸ツアーを予約した人も、その見学通路がどのようなものか気になるに違いない。
 そこで、今月末の上陸解禁に先立ち、見学通路のすべてを収めた動画をここに公開しよう。なお、忙しい人のために3倍速で再生している。かなり映像が上下に揺れるため、人によっては酔うかもしれないことをご了承願いたい。

どうすれば軍艦島にいけるの?

 ここまで記事を読んで、軍艦島に行ってみたくなった人も多いだろう。現在国内では近畿日本ツーリストとJALツアーズが軍艦島上陸ツアーを販売している。詳しくは旅行会社のウェブサイトで確認してほしい。

船で島を一周!
海から見る軍艦島とは?

 第3見学広場に到着した我々は、来た道を戻り桟橋に戻った。すると、4月末から上陸ツアーで使用される客船が接岸訓練を行なっていた。
上陸ツアーで使用する船は、我々が乗船した漁船タイプではなく、乗り心地もよさそうな観光船。長崎市に話を聞いたところ、軍艦島に接岸可能な客船で最も大型なもので250人乗りとのこと。観光船は接岸の手順と所要時間、安全管理などが一定の水準でないと営業許可が下りないのだそうだ。もうじき上陸ツアーが解禁というこの時期にまだ訓練を続けているということは、よほど軍艦島への接岸は難易度が高いのだろう。
 我々はこの観光船に乗ることはなく、再び行きにお世話になった漁船で島を離れた。とはいえ、ただ帰るわけではない。船で軍艦島を1周し、足を踏み入れることのできない居住区や学校などの姿をその眼に焼き付けた。

国土交通省の職員が立会いのもとで、接岸訓練を行っていた観光船。訓練を無事に終えて、認可が下りないとツアーは実施できないとのことだ

この島が軍艦島と呼ばれるようになったのは、戦艦「土佐」にシルエットが似ているため

ちなみにこれが、大正11年初頭の三菱長崎造船所岸壁に接岸する「土佐」(写真提供:潮書房 月刊丸編集部)

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島の南端(軍艦に例えると艦首部分)は、台風の際に最も波に襲われる危険性が高い。そのため、建物の多くが崩壊してしまっている

31号棟と30号棟。都会でも鉄筋コンクリート造の建物が少ない時代に、すでにここには高層の鉄筋アパートが建っていた。狭い土地を有効利用し、台風などの天災に耐えられるからだ

職員用住宅の31号棟は防潮壁も兼ねているため、堤防に沿うようなかたちで建てられている

このあたりは海流が早く格好の漁場ということで、地元の釣り人が釣りをしている姿が見られた

上陸ツアーの見学通路からは見ることのできない住居群。船の上からでも圧倒的な存在感だ

鉱員用住居の48号棟(写真中央)。眺望と日当たり抜群の住宅のようだが、波が押し寄せる海側はアパートの廊下。居室は山側に面していたので、室内から海は見えない

防波堤ギリギリに建っているのは鉱員用住居の51号棟。後期に作られたため、48号棟と違い海側に居室が面していた。ただし潮害を防ぐために48号棟より窓が小さい

もし、ツアーに参加してみようという人がいるなら、200mm以上の望遠レンズのほかに、双眼鏡も用意しておくと、この島の廃墟を細かく観察できるだろう

(次ページへ続く)

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