春は新生活の季節、新たにケータイを買い換える、乗り換えるという人も少なくないでしょうが、最近は物騒な事件が相次いで報道されていることから所在地確認や不審者をひるませるためのブザーなどを内蔵した“子ども向けケータイ”が相次いで発売され、好調に売れ行きを伸ばしているそうです。ほかの製品とは違って、売れていることを喜ぶべきことではありませんが、ここでは、そんな“子ども向けケータイ”について、まとめて紹介していきます。
ASCII24読者は子ども向けケータイをどう見ているのか?
3月25日から31日まで実施したASCII24読者アンケートで、子どもへケータイを持たせる必要性や“子ども向けケータイ”として各社が発売している製品への興味関心などを聞いてみた。まず、自分の子どもに(子どものいない方は、将来子どもを持った場合を想定して)現在持たせている/持たせていないが自分で購入したものを持っていると言う方は合計24.3%。近々持たせるつもりがある/いずれ持たせるつもりがあると言う方も41.2%と、持たせるつもりがないの19.2%を大きく上回り、極めて関心が高いことが分かった。
Q:現在、お子さんに携帯電話機/PHS端末を持たせていますか? お子さんがいらっしゃらない場合は、将来お子さんを持った時を想定して、ご自身の考えとしてお選びください。 |
すでに持たせている/持たせるつもりがあるという方に、いつ頃持たせた/持たせたいかを聞いたところ、こちらは回答が分かれ、中学卒業(高校入学)の頃が16.3%と最も高いものの、ほぼ同数の回答が“中学入学”“小学校高学年”にも集まり、小学校に上がったときと答えた方も12.8%いた。逆に高校卒業以降になると親が持たせるというより、子どもが自分で持つことになる、というのが一般認識として定着しているのだろう。
Q:お子さんに携帯電話機/PHS端末を持たせている、もしくは持たせるつもりがある方にお尋ねします。お子さんがいくつぐらいで持たせたもの(持たせたい)ですか? お子さんがいらっしゃらない場合は、将来お子さんを持った時を想定して、ご自身の考えとしてお選びください。 |
では、そのケータイは、“子ども向けケータイ”なのか、通常の携帯電話機/PHS端末なのかを聞いてみたところ、意外にも子ども向けケータイは20.5%にとどまり、通常の携帯電話機/PHS端末が31.4%と1.5倍の支持を集めた。これは別の設問での自由回答の意見を集約すると、現在の“子ども向けケータイ”に必ずしも機能面で満足しておらず、むしろ将来買い換えた時に操作の違いなどで迷わないように大人と同じ物を使わせたい、という意見が多いためのようだ。ただ、子ども向けケータイには位置情報確認サービスや大人向けサイトの閲覧制限など、子どもに合わせた機能/サービスが用意されている。そうした子どもに合わせた機能の追加・改良を進めるとともに、特徴を正しく伝える努力もメーカーには求められるだろう。
Q:お子さんに携帯電話機/PHS端末を持たせている、もしくは持たせるつもりがある方にお尋ねします。それはいわゆる“子ども向けケータイ”ですか、それとも通常の携帯電話機/PHS端末ですか? |
最後に、すでに発表されている(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)/KDDI(株)(au)/(株)ウィルコム&(株)バンダイの子ども向けケータイ、および(株)ユビキたスのPHS通信網を利用した子ども向け位置確認サービスについて、認知度を確認してみた。
Q:NTTドコモは昨年11月にキッズケータイ『FOMA SA800i』の開発を発表し、3月1日に発売しています。また、関連サービスとして“イマドコサーチ”を同時に提供開始しました。これらの名称や内容をご存じですか? |
Q:KDDI(au)の“ジュニアケータイ”『A5520SA』についてはいかがですか? これらの名称や内容をご存じですか? |
Q:ウィルコムの“キッズケータイ”『papipo!』、およびユビキたスの『どこ・イルカ』についてはいかがですか? これらの名称や内容をご存じですか?<複数選択> |
TV CMなどの効果もあってか、NTTドコモのキッズケータイ/イマドコサーチは知名度が高く(詳しく知っているが32.0%、名前だけ知っているが29.1%)、次いでauのジュニアケータイも24.3%ずつと広く認識されていることがわかった。ウィルコム&バンダイのpapipo!はTV CMが頻繁に流されていることから、アンケート実施時点では知名度がさほど高くない(13.1%+15.7%)ものの、発売に向けて徐々に認知度が上がるものと思われる。
ただ、自由記述で寄せられた意見をまとめてみると、子どもを守るためには“機能的に不十分”という声が多い。また、こうしたハードウェアやサービスに頼るだけでなく、親の目を子どもに行き届かせる必要がある、という至極まっとうな意見も目立った。