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PIXUS MP500

PIXUS MP500

2005年11月22日 00時00分更新

文● 行正 和義

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PIXUS MP500

キヤノン

オープンプライス

PIXUS MP500
「PIXUS MP500」。曲面構成を活用することでスリムな印象となっている。給排紙トレイをたたんだ状態ではかなりコンパクトに感じる。家庭に置く場合は、こうした“使わない場面での存在感の薄さ”も重要だ。
PIXUS MP950
キヤノンの2005年冬プリンターの普及モデル「PIXUS MP950」を含む、キヤノン新製品の情報はこちらの“特別企画”でご覧いただけます。写真をクリックすると、特別企画ページに移動します。

 「PIXUS MP500」は、2005年冬の複合機ラインナップで普及モデルにあたる製品だ。最高9600×2400dpiの高解像度と最小1plという極小ドロップインクに対応する新型プリントヘッドを採用することで、印刷画質を向上させているのは上位モデル「MP950」と同様。異なる点としては、MP950がフォトシアン/フォトマゼンタを含む7色のインク構成なのに対し、MP500はCMYと染料Bk、顔料Bkの5色インクを使用する点だ。インクノズルはCMのカラーインクが各512ノズル、Yのカラーインクと染料系ブラックが各256ノズル、顔料系ブラックは320ノズルで従来機「MP700」と同等だが、ノズルの幅を広げることで印刷速度を向上させている。本体前面下部と背面上部からの2種類の給紙機構や自動両面印刷機構を装備するのも上位機種と同様だが、CD/DVDのレーベル印刷は付属のアダプタにセットして印刷することになる。



トップカバーを開いてスキャナーとして利用
トップカバーを開いてスキャナーとして利用する状態。カバーには光源が内蔵されていないため軽く薄型だ。

 スキャナーは光学解像度1200×2400dpiのCISセンサーで、上位機種のような透過原稿(フィルムスキャン)には対応していないものの、紙焼き写真を複数枚並べて1回のスキャンで読み取ると個別のデータに切り出して保存する“ワンパスマルチスキャン”や、ソフトウェア的な“ゴミ傷低減”“褪色補正”などの画像補正機能を装備する。

給排紙トレイと給紙カセットを引き出した状態
天板とスキャン部を開き、給排紙トレイと給紙カセットを引き出した状態。CISタイプのスキャナーだけにスキャンユニットは薄くなっている。給紙カセットは用紙をセットした状態で本体下部に全部収まる。

 パソコンと接続しての印刷やスキャンのほか、上位機種同様にメモリーカードスロットと“カメラダイレクトインターフェース”を装備し、デジタルカメラ画像のダイレクト印刷や赤外線ポートを使っての携帯電話などからの印刷、オプションのBluetoothユニットを装着しての無線接続が可能となっている。

本体前面の排紙トレイとカードスロットを開けた状態
本体前面の排紙トレイとカードスロットを開けた状態。CD/DVD印刷用のアダプタは排紙トレイの上にセットする。やや難があるのは操作パネルによるオーバーハングのおかげでスロットにメモリーカードを挿しにくいところだろう。

 上位機種に比べてボディーが小型化されているのが特徴で、特に高さは205mmと、最上位機種のMP950よりも約50mm低く抑えられている。上面は手前が傾斜した曲面になっているため、実記を見ると数値以上にコンパクトな印象を受ける。フロントには2.5インチ液晶ディスプレーを中心とした操作パネルを配置。液晶ディスプレーに表示されるメニューによって各種操作や印刷/スキャン/コピー時の設定は分かりやすい。排紙トレイをたたんだまま印刷を実行した場合、上位機のように自動的にオープンすることはないものの、排紙トレイがたたんでいることを警告するメッセージが表示されて印刷が停止する。

スキャン部分を開けたところ
スキャン部分を開けたところ。LEDを装備する新インクタンクのため、誤装着時にタンク部が点滅するのがわかりやすい。

 印刷速度はテキストなら1枚あたり実測で約5秒(Word文書、普通紙、はやい)で上位機と変わらず、L判写真印刷でも55秒(800万画素デジタルカメラで撮影した画像をPhotoshopで印刷、フォト専用紙、きれいモード)と、上位機とほぼ変わらない(わずかに遅い程度)。A4カラーコピーは標準画質で33秒と高速で、実用上も待たされるという印象はない。

操作パネル
操作パネルはLEDによって光る3つの大きなボタンをはじめ、液晶に表示されるメニューとカーソルなどでわかりやすい操作となっている。

 画質に関しては、フォトインクを使用しない4色機ながらもグラデーションを奇麗に表現し、粒状感も極めて少ない。1plインク滴のドット小径化による効果が高いことを強く実感させられる。紙焼き写真をコピーした場合でも、手もとでかなり見比べてようやく判別できるかどうかといったところだ。フォト印刷はフォトインクを使う6~8色プリンターの専売特許で、4色機はそこそこの画質ながらの高速印刷という、“思い込み”は改めたほうがよさそうだ。


 デジタルカメラからのダイレクト印刷やアルバムなどに保存した紙焼き写真を焼き増して配るなど、“印刷”という行為を日常的にしてみたくなる豊富な機能と十分な画質を持つ、コストパフォーマンスの高い複合機と言えるだろう。

PIXUS MP500の印刷サンプル

紙焼き写真(右)をL判に写真コピーをしたもの
紙焼き写真(右)をL判に写真コピーをしたもの。ややコントラストが強めになり、色味が若干赤っぽくなっている。印刷結果と元原稿をMP500にて30dpiでスキャンし、リサイズして並べてある。
上の印刷サンプルのうち、一部を拡大して並べたもの
上の印刷サンプルのうち、一部を拡大して並べたもの。
デジタルカメラ(800万画素)の画像をパソコンから印刷して400dpiでスキャンした 左の印刷サンプルのうち、一部を拡大して並べたもの
デジタルカメラ(800万画素)の画像をPCから印刷したものを400dpiでスキャンした。拡大してようやくドットが見えるほどだ。左の印刷サンプルのうち、一部を拡大して並べたもの。
PIXUS MP500の主なスペック
製品名 PIXUS MP500
印刷解像度 最高9600×2400dpi
印刷速度
(コピー時)
カラー約19枚/分、モノクロ約29枚/分
使用インク C/M/Y/Bk(染料)/Bk(顔料)
用紙サイズ L判/はがき/カードサイズ~A4
給紙容量
(ASF/カセット)
普通紙150枚×2、はがき40枚×2
スキャン解像度 1200×2400dpi
スキャン階調 48bit入力/24bit出力
液晶ディスプレー 2.5インチ
インターフェース USB 2.0、Bluetooth(オプション)、赤外線(IrDA v1.2、プリントビーム)
本体サイズ 448(W)×425(D)×205(H)mm
重量 約9.6kg

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