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「9月9日はパソコン救急の日」――トレンドマイクロ、『ウイルスバスター 2005 インターネット セキュリティ』を発表

2004年09月09日 20時11分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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執行役員 日本代表の大三川彰彦氏
『ウイルスバスター 2005 インターネット セキュリティ』のパッケージを掲げる、執行役員 日本代表の大三川彰彦氏

トレンドマイクロ(株)は9日、東京・赤坂のホテルニューオータニで記者説明会を開催し、Windows XP SP2に対応する個人向けウイルス&個人情報漏洩対策ソフト『ウイルスバスター 2005 インターネット セキュリティ』(以下ウイルスバスター 2005)を10月22日に発売開始すると発表した。価格は1ユーザー向けのパッケージ版が8925円、ダウンロード版が5250円。家庭で一括導入するユーザー向けの“2ユーザーパック”と新たに“5ユーザーパック”が用意され、それぞれパッケージ版は1万3440円/3万3600円、ダウンロード版は7875円/1万9688円。なお、ISP(インターネットサービスプロバイダー)から提供される月額版/レンタル版についても順次バージョンアップ予定で、今年10~12月中にアップデートを行なう。また、既存製品の登録ユーザーは無償アップデートが可能となっている。



シニアグローバルプロダクトマネージャーの山崎裕二氏 トレンド・ラボ ジャパン ウイルス解析担当の岡本勝之氏 プロダクトマーケティングの瀬川正博氏
シニアグローバルプロダクトマネージャーの山崎裕二氏トレンド・ラボ ジャパン ウイルス解析担当の岡本勝之氏プロダクトマーケティングの瀬川正博氏

発表会には執行役員 日本代表の大三川彰彦氏、シニアグローバルプロダクトマネージャーの山崎裕二氏、トレンド・ラボ ジャパン ウイルス解析担当の岡本勝之氏、プロダクトマーケティングの瀬川正博氏らが出席し、製品の概要は新機能の特徴、開発の背景などを語った。

発表会に参加者へのお土産として配られた、トレンドマイクロ印の救急箱
発表会に参加者へのお土産として配られた、トレンドマイクロ印の救急箱

最初に挨拶に立った大三川氏は、「従来のウイルス/ワームへの対応だけでなく、最近はスパイウェア、フィッシング詐欺などへの対策、無線LANなどワイヤレスインターネット接続環境への対応などが必要になってきた。今回の新バージョンでは、こうした個人情報漏洩対策に主眼を置いて開発しており、さらにパソコンの脆弱性診断やホームネットワーク管理などの新機能を追加した」「トレンドマイクロでは、今日9月9日を“パソコン救急の日”と設定し、セキュリティー対策への関心を高めるキャンペーンを行なうことと決めた。今回の発表会に参加された方へのお土産も、それにちなんだものになっています」と切り出した。



大三川氏が示したインターネット普及の動向を示す資料 インターネットの世帯別普及率と人口割合、および利用用途
大三川氏が示したインターネット普及の動向を示す資料同じくインターネットの世帯別普及率と人口割合、および利用用途

スパイウェアは、ユーザーの行動(視聴しているウェブサイトなど)や入力された個人情報を収集し、バックグラウンドでその情報を回収/送信するもの。それ自身がウイルス/ワームのようなパソコンやOS環境を破壊する行為はしないものの、個人情報漏洩につながる危険がある。

フィッシング(Phishing)詐欺は、著名なウェブサイトなどの名称/デザインなどをかたって個人情報やクレジットカードの番号などを聞きだすもので、「ご登録いただいた情報が誤って削除されました。お手数ですが再入力をお願いします」などの文面でメールを送りつけ、偽りのページに誘導して個人情報の取得を狙うもの。

セキュリティー面への不安に対する、総務省の調査結果 進化を続けるウイルス/ワームにより、感染規模と被害は拡大を続ける
セキュリティー面への不安に対する、総務省の調査結果進化を続けるウイルス/ワームにより、感染規模と被害は拡大を続ける

大三川氏は、総務省や各種調査会社の資料を引き合いに出しながら、「パソコンを複数台持っている人が6割近くに増え、大小を問わず事業所におけるインターネット利用率は80%を超えるようになった。また、駅や空港、都市部の各種施設/店舗などで公衆無線LANサービスの提供が増え、利用者も18%近くまで増えてきている。最近はインターネットに接続しているだけで感染したり、知らぬ間に加害者なっているケースもあり、それらへの対策が必要とされてきた」と、新機能追加の背景を説明した。

それを受けて山崎氏がウイルスバスター 2005の新機能の概要を説明した。主な新機能として、従来のウイルス/ワーム対策機能の強化に加えて、

  • 個人情報漏洩防止
  • スパイウェアの検出&駆除
  • 無線LAN&パソコン本体の脆弱性診断
  • ホームネットワークのセキュリティー管理
  • 不正アクセス防止
  • 有害サイトへのアクセス規制

という6つを具体例を挙げながら紹介した。

個人情報漏洩の危険性を示すパネル 個人情報漏洩防止機能の説明パネル
個人情報漏洩の危険性を示すパネル個人情報漏洩防止機能の説明パネル

個人情報漏洩防止機能は、ユーザーが事前に指定したウェブサイト以外で名前やメールアドレス、クレジットカード番号などの個人情報を入力/送信しようとすると警告を促すメッセージが表示され、同時に送信した個人情報の内容と送信先を最長60日間ログとして保存するというもの。

スパイウェアの危険性と対策 従来までのウイルスバスター 2004の役割と、ウイルスバスター 2005のカバー範囲
スパイウェアの危険性と対策従来までのウイルスバスター 2004の役割と、ウイルスバスター 2005のカバー範囲

スパイウェア対策は、ウイルス/ワーム対策と同様、特定のプログラムパターンをHDD内のファイルやレジストリーから手動/自動で検索して、発見次第対応するというもの。プログラムやコンポーネントの追加時にリアルタイム検索する機能ももつ。

無線LAN&パソコン脆弱性診断機能の説明 脆弱性診断機能で、すでに配布済みにもかかわらず当てていないアップデートパッチを報告、警告する
無線LAN&パソコン脆弱性診断機能の説明。侵入や不正使用の危険性を見つけると、設定変更を促す脆弱性診断機能で、すでに配布済みにもかかわらず当てていないアップデートパッチを報告、警告する
デモンストレーションで、実際に不正アクセスしているパソコンを検知したところ
デモンストレーションで、実際に不正アクセスしているパソコンを検知したところ

脆弱性診断は、家庭に設置された有線/無線のネットワークを検査し、接続されているパソコンが許可(認証)済みであるかどうかを一覧表示するもの。特に屋外から勝手に無線LANを利用(ネットワークに参加)しているパソコンがないかどうかを、手動/自動で検索して発見次第警告を出すというもの。セキュリティーの強化(ネットワーク接続のためのパスワード変更やセキュリティーレベルの向上など)はユーザー自身が別途行なう必要がある。また、これに加えて、配布済みのOSのセキュリティーパッチが当てられているかどうかを確認し、当てていない場合はそれによる危険性/危険度と感染の恐れのあるウイルス情報を表示しながらアップデートパッチを当てる必要性を警告(啓蒙)する。



ホームネットワークのセキュリティー管理機能
ホームネットワークのセキュリティー管理機能

ホームネットワークのセキュリティー管理機能は、家庭内ネットワークに接続したパソコンにインストール済みのウイルスバスター 2005(台数分のライセンスが必要)について、事前にパスワードを同一に指定しておくと、各種設定の変更やパターンファイル/プログラムファイルの更新をネットワーク経由で遠隔操作できるというもの。1度に1台のパソコンに対してのみ設定変更を行なうもので、一括変更などのサーバー機能は持たない。



パーソナルファイアーウォールをより使いやすくしたという、不正アクセス防御機能
パーソナルファイアーウォールをより使いやすくしたという、不正アクセス防御機能

不正アクセス防止機能は、従来から“パーソナルファイアウォール”機能として提供していたもの。アプリケーション単位で外部へのパケット送出の可否が設定できるほか、インターネットへの接続環境に応じてプロファイル(設定)の切り替えが可能。例えば、ブロードバンドルーター越しで接続する家庭内やオフィスでは設定を緩めてパフォーマンス優先に、セキュリティーに不安ある外出先(公衆無線LANやホテルの公衆インターネット接続サービスなど)では安全対策のための設定を高める、といった使い分けができる。



パーソナルファイアーウォールをより使いやすくしたという、不正アクセス防御機能
パーソナルファイアーウォールをより使いやすくしたという、不正アクセス防御機能

有害サイトへのアクセス制限は、外部データベース(ルックアップテーブル)を参照して、入力されたURLからアクセス先のサイトの種別(カテゴリー)を参照し、特定のカテゴリーについては表示を行なわないというもの。指定できるカテゴリーは20種類で、設定はパスワードで保護される。アクセスブロックしたサイトへの参照行為について、ログ(履歴)を残すこともできる。



デモンストレーションでアクセス制限機能を試しているところ ウイルスバスターが表示不可の警告画面を表示したところ
デモンストレーションでアクセス制限機能を試しているところ。“女子高生”と“制服”で検索した結果……検索結果のサイトがルックアップテーブルではアダルトサイトとして分類されていたため、ウイルスバスターが表示不可の警告画面を表示したところ

このほか、ウイルス/ワーム対策機能の強化として、許可していないメールソフトから一度に大量のメール配信を行なおうとすると自動的に中止/ブロックする“マスメールストッパー”、一度検索したファイルに変更がない場合、対象から外すことで検索時間の短縮を図る“スピード検索”、ウイルス検索の結果、ウイルスが見つからなかった場合に、自動的にパソコンの電源を落とす“自動シャットダウン”(ソフトウェアでパソコンの電源を落とせる仕様のパソコンに限る)、リアルタイム検索機能のみをインストールする“ライトモードインストール”などの新機能を追加している。

ウイルス対策の機能強化点 新たに“マスストッパー”“スピード検索”“シャットダウン機能”などが追加された
ウイルス対策の機能強化点新たに“マスストッパー”“スピード検索”“シャットダウン機能”などが追加された

なお、Windows XP SP2との機能的な競合について記者から質問されると、「両者の共存自体は問題ないが、例えばファイアウォール機能を重複して利用するのは負荷になる。なので、その場合はOS標準のファイアウォール機能を切って使ってもかまわない。これはマイクロソフトからもアドバイスをもらっている」(瀬川氏)と回答した。


ウイルスバスター 2005の動作環境は、対応OSがWindows 98/Me/2000(SP4以降)/Windows XP(SP1またはSP2)で、必要スペックはOSごとに異なる。Windows 98/Meの場合、CPUはPentium-233MHz以上(または互換CPU)、メモリーは64MB以上(128MB以上を推奨)。Windows 2000ではPentium-300MHz以上(または互換CPU)、メモリー64MB以上(128MB以上を推奨)。Windows XPはPentium-300MHz以上(または互換CPU)、メモリー128MB以上。HDDはいずれも120MB以上の空き容量が必要で、RAID環境は非サポート。

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