このページの本文へ

トレンドマイクロ、企業向けウイルス対策ソフト『ウイルスバスター コーポレートエディション』をバージョンアップ

2004年07月26日 18時08分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
マーケティング統括本部 プロダクトマーケティンググループの小林伸二氏
マーケティング統括本部 プロダクトマーケティンググループの小林伸二氏

トレンドマイクロ(株)は26日、東京・新宿の同社オフィスで記者説明会を開催し、ウェブサイト経由でのインストールやパターンファイルの自動配布などが可能な企業向けウイルス対策ソフト『ウイルスバスター コーポレートエディション』を約1年ぶりにバージョンアップし、『同 6.5』として8月18日に受注開始、8月20日に出荷開始すると発表した。同時に、Windows 2000 ServerやWindows Server 2003などのウイルス対策が行なえる『同 6.5 サーバ版』も発売する。価格は、ウイルスバスター コーポレートエディション 6.5の5ライセンスが3万6000円から、同 6.5 サーバ版の20クライアントライセンスが6万9000円から、など(ボリュームディスカウント制あり)。

説明会にはマーケティング統括本部 プロダクトマーケティンググループの小林伸二氏らが出席し、新機能の詳細やサポート体制の強化などを説明した。



ウイルスバスター コーポレートエディション 6.5の画面
ウイルスバスター コーポレートエディション 6.5の画面。パーソナルファイアウォールのログ情報を参照しているところ

ウイルスバスター コーポレートエディションは、ウェブベースの管理コンソールと複数クライアントの一元管理機能を持つ企業向けのクライアントウイルス対策ソフト。最近は従来のウイルス/ワームの多様化に加えて、外部から社内ネットワークに対する攻撃だけでなく、ノートパソコンなどを社内ネットワークに接続した際に感染被害が広がるケースも増えており、従来とは異なる対策が必要になっていたという。

セキュリティー機能を強化したWindows XP SP2に対応 Windows XP SP2のセキュリティセンターの画面
まもなく配布予定と言われている、セキュリティー機能を強化したWindows XP SP2に対応Windows XP SP2のセキュリティセンターの画面。わざとウイルス対策のリアルタイム検索機能をオフにして動作を確認している

新バージョン6.5では、

  • ネットワークウイルス/ワームへの対策強化
  • クライアント向けファイアーウォール機能“ECF(エンタープライズクライアントファイアウォール)”を装備
  • クライアント間で最新パターンファイルを共有できる“アップデートエージェント”機能を装備
  • シスコシステムズ(株)のセキュリティーポリシー管理機能“Cisco NAC(ネットワークアドミッションコントロール)”に対応
  • 近々配布開始とされている、セキュリティー機能を強化したWindows XP Home Edition/Professional SP2(Service Pack 2)に対応
  • サーバーのウイルス対策をサポート(サーバ版のみ)

などの機能強化が施されている。

ネットワークウイルス/ワームへの対策強化では、従来型のウイルスだけでなくスパイウェア/アドウェア/ダイヤラー/パスワードアタック/ジョークプログラム/不正侵入など多彩な攻撃に対応するため、スパイウェアパターンファイルを約900件登録し、社内的には3000個程度を作成済み。ネットワークウイルスについても、新規にパターンファイルを65~70個程度作成した。これに加えてリアルタイム検索の強制実行(ユーザーが機能をオフにしても、サーバー側からオンに切り替えられる)などのポリシーコントロールによって、ウイルス対策を徹底できるとしている。

クライアント向けファイアーウォール機能は、従来から個人ユーザー向けに販売しているウイルス対策ソフト『ウイルスバスター2004 インターネット セキュリティ』に収録していた機能をコーポレートエディションに組み込んだもの。疑わしい発信元からの通信を拒否し、パケットのデータ領域についてネットワークウイルスパターンマッチング(複数パケットにまたがるデータも検出可能)を行なうほか、ポリシーコントロール(エンドユーザーが設定変更してポートの開放を行なえないようにする)や、プロファイル(セキュリティー設定)の保存/配布などが行なえるコーポレートエディションならではの機能も収録している。ただし、ファイアーウォール機能はWindows 95/98/Meでは利用できない(次期バージョンでは対応予定)。

アップデートエージェントを説明する画面
アップデートエージェントを説明する画面。参照するサーバー/クライアントをIPアドレスで指定する。参照先は複数設定可能

アップデートエージェント機能は、従来サーバーからのみ取得可能だったパターンファイルを、更新済みのクライアントから取得可能にするもの。サーバーが定期的にメンテナンスなどで接続できない環境でも、最新のパターンファイルをいち早く入手し、感染の危険を最小限に押さえることができるという。入手先は複数指定可能で、クライアントマシンや回線がメンテナンス中であっても別の経路で取得できる。

Cisco NACでセキュリティーポリシーを満たさないクライアントマシンの接続を拒絶する一連の動作
Cisco NACでセキュリティーポリシーを満たさないクライアントマシンの接続を拒絶する一連の動作を説明

Cisco NACのサポートは、今年6月に両社の協業が発表されて初めての対応製品となる。Cisco NACは、管理者が規定するセキュリティーポリシーを満たさないパソコンを社内ネットワークなどに接続しても、ネットワークへの参加を拒否できるもので、ノートパソコンの持ち込みなどによるネットワークウイルス被害の感染拡大を未然に防ぐことができるという。具体的には、リアルタイム検索のオン/オフの確認、パターンファイル/検索エンジンのバージョン確認などを行ない、必要があればクライアントの設定変更やパターンファイル/検索エンジンのアップデートとScannow(ウイルスチェック)を実行してセキュリティーポリシーを満たす状態に変更してからネットワークへの参加を許可するというもの。なお、Cisco NACを利用するには、対応するルーターとCisco Secure ACS(Access Control Server)を導入した環境が必要。

Windows XP Home Edition/Professional SP2のサポートは、SP2で追加されるセキュリティー管理機能“Windows Security Center(WSC)”への対応を指す。WSCは、対応するウイルス対策ソフトやファイアーウォールのインストール、パターンファイルの更新状態などを検知してアンインストールされる/ユーザーが設定変更する/パターンファイルが古いまま更新されていない、などの不都合があると警告を発する。なお、同社では既存のウイルスバスター コーポレートエディション 5.xについても、SP2登場後にWSCへの対応を予定しているとのこと。

対応OSは、管理サーバーがWindows NT 4.0 Server(SP6a以降)/2000 Server(SP2以降)/2000 Advanced Server(SP2以降)/Server 2003 Standard Edition/Server 2003 Enterprise Edition。ウェブサーバーはInternet Information Server(IIS) 4.0/5.0/6.0、Apache 2.x(Windows 2000 Server以降)。クライアントは、Wiindows 95/98/Me/NT 4.0(SP6a以降)/2000(SP2以降)/XP(SP1以降)、など。


なお、今回発表の製品から、クライアント向け製品については次期バージョン発売から3年間の継続サポートを行なうことを表明した(サーバー向け製品については従来同様1年間)。その理由を小林氏は「企業などでOSメーカーからのサポートが受けられなくなっても使い続ける必要がある場合にも、ウイルス感染被害を受ける可能性を最小限にできる」、と説明した。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン