キヤノン(株)が進めている文化・芸術支援活動“CANON ART PROJECTS”の一環として、12月13日~22日の10日間、原宿ハナエモリビル5FのTNブローブにおいてハイブリッド映像空間“URBANLENZ”が公開されている。入場は無料。
“URBANLENZ” |
会場に入ると、天然芝を敷き詰めた約400m2の部屋の中央に、4×5mの巨大なスクリーンが4面を囲んだ空間と、独musikelectronic geithain社の5チャンネルの大型スピーカーシステムが設置されている。空間の中央には3人掛けのソファーがあり、最適なリスニング&ビューポイントになっているが、入場者は必ずしもそこに座る必要はなく、芝に寝転がったり、ソファーのそばで体育座りをして思い思いのスタイルで映像と音楽を楽しめる。
実写、アニメーション、ゲーム風CGまでさまざまな映像と迫力の音楽が同期して次々に表示される | スクリーンの後方に3台、左右に1台ずつの大型スピーカーが設置されている |
上映される映像は東京を中心に活躍する若手クリエーターたちばかり13名(組)。
- 松本弦人(写真)
- 田村麻衣子(ビデオ)
- Jun Nguyen-Hatsushiba(コンテンポラリーアート)
- portable[k]ommunity
- 松本力(アニメーション)
- Delaware(ビットマップ)
- 長谷川踏太(toma-to interactive)(インタラクティブ)
- 三池嵩史(フィルムディレクター)
- 宇川直宏(リミックス)
- Momus(リミックス)
- 菊池久志(リミックス)
- Spies(インダス・ポップアート)
- Holeg(Spies)+savka(リミックス)
(以上、敬称略)
ショートムービーあり、ストーリー仕立ての映像に音楽を載せたVJ(ビデオ・ジョッキー)風あり、アニメーションありと内容は多岐に渡る。会場の外には軽食やコーヒーのスタンドもあって、自由に出入りが可能となっている。
デイヴィッド・ディヒーリ氏 |
今回の企画のキュレーターである、(有)ニ・ディ・ケイ(2dk)のデイヴィッド・ディヒーリ(David d'Heilly)氏によると、「これは個人的な考えですが、映画館のように固定された空間で行なう上映会というスタイルには疑問があった。誰もが同じ方向を向き、椅子に座って、決まった時間になると出されてしまう。ここでは高音質/大音量な音響に包まれ、芝生に素足で入り、大きなスクリーンに映し出された映像を目の当たりにすると、その瞬間から非日常の空間に放り出される。それを体感してもらいたい」「また、展覧会の特別企画として、劇場公開映画作品のリミックスを行ないます。ここでは三池崇史監督の作品『殺し屋1』を素材として、複数の作家が劇場公開映画のオリジナル・ディレクターズ・カット制作に挑みます。音楽とはまた違ったリミックスの妙を楽しみにしてほしい」という。また、「東京に大雪が降った日(9日)に、私たちはトラックで(原宿・表参道に)芝生を持ち込んで半そでになって舞台を作っていました(笑)。そんな行為自体も非日常ですよね」と楽しげに語る。
大型スクリーンに囲まれた内側は芝生がなく、白いソファーが各スピーカーからの等距離(リスニングポイント)に設置されている。ここに座るもよし、床に直接しゃがんだり寝転んでもよし |
なお、15日と22日には、有料(1000円/1ドリンク付き)のライブイベント“Vroom! Vroom!”が開催される。参加者(予定)と開催時刻は、15日がFeeler、Holeg(DJ)+savka(VJ)、portable[k]ommunityで午後6時30分~9時、22日はDelaware+長谷川踏太(tomato interactive)、および「殺し屋1・ライブ・リミックス」と題した藤乃家舞(b)、山本精一(g)、ATR(Dr)、宇川直宏(VJ)+αによる「殺し屋1」サントラのリアルタイムでの解体/リミックスが午後6時~9時に行なわれる。なお、当日の展覧会は午前5時にいったん終了となる。