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キヤノン、エプソンら6社が、デジタルカメラからのダイレクトプリントに関する統一規格“DPS(仮称)”を策定

2002年12月02日 21時32分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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キヤノン(株)、富士写真フイルム(株)、日本ヒューレット・パッカード(株)、オリンパス光学工業(株)、セイコーエプソン(株)、ソニー(株)(以上、アルファベット順)の6社は2日、都内で記者会見を行ない、デジタルカメラから家庭用プリンターに直接印刷するダイレクトプリントの統一規格“DPS(仮称、以下同)”を策定し、2003年2月をめどにVer.1.0を公開する予定と発表した。

キヤノン櫻田氏 セイコーエプソン西澤氏 日本HP山崎氏
記者会見で壇上に立った、キヤノンの櫻田氏セイコーエプソンの西澤氏日本HPの山崎氏

記者会見には、キヤノン(株)DCP開発センター副所長の櫻田信晶氏、セイコーエプソン(株)情報画像事業本部 情報機器企画設計部部長の西澤克彦氏、ソニー(株)MNCパーソナルイメージングカンパニー1部 統括部長の黒田修氏、日本ヒューレット・パッカード(株)イメージング・プリンティンググループ主幹技師の山崎準一氏など、6社の代表が集まり、コンセプトや技術説明、デモンストレーションなどを行なった。

プリントアウト比率 DPS Ver.1.0仕様
デジタルカメラユーザーの印刷枚数比率2003年2月に公開予定のDPS Ver.1.0の仕様内容

まず、キヤノンの櫻田氏が壇上に立ち、規格策定の経緯とコンセプトを説明した。櫻田氏は、「現在のデジタルカメラユーザーは、撮影した画像の70%(年間一人当たり約560枚)を保存するものの、プリントするのは8%(約65枚)に過ぎない。理由は、パソコンで見るから印刷する必要がない、面倒だから、などが多い。そこで、簡単にプリントアウトするための統一したインターフェースの策定が必要になった。具体的には、USBケーブルでデジタルカメラとプリンターを接続した後、カメラ側で印刷したい画像を選択、印刷指示を出し、プリントアウトされる、という手順になる」「DPS規格では、接続後のプリントサーバー/クライアント、およびストレージサーバー/クライアントを規定したもの。Ver.1.0では、物理的な接続にはUSB、論理的接続にはPTP(Picture Transfer Protocol)を採用するが、状況の変化に応じてこれらは変更可能。また、プリントアウト、ストレージ以外のアプリケーションについても、ユーザーの要望があれば追加、変更できる」と述べ、DPS規格の柔軟性を強調した。

DPSシステムフロー メリットその1
DPSでの印刷までの流れ既存のDPOF(Digital Print Order Format)も利用可能で、ここに印刷の要不要や枚数を記録しておけば、その設定に合わせて自動的に印刷される

次に、セイコーエプソンの西澤氏が、DPSプリンターの技術説明とメリットの紹介を行なった。その内容は、「DPSでは、すでに多くのメーカーのプリンターに搭載されているUSBと、デジタルカメラへの採用が進んでいるPTPを利用する。USBは給電(500mA程度)が可能なので、ダイレクトプリント時にバッテリーの残量を心配したり、ACアダプターをつなぐ必要もない。将来はワイヤレスやLANへの対応なども予定している」「DPSプリンターに必要な機能は、USBホストコントローラー、JPEGなどの撮影画像のデコード、レンダリングなど。アプリケーションは、プリンター側にストレージクライアントとプリントサーバー、デジタルカメラにプリントクライアントとストレージサーバーを置く。印刷までの工程は、(1)USBケーブルでカメラとプリンターが接続されると、PTP接続し、互いがDPS対応機器であることを確認、(2)互いに提供される機能を確認、Ver.1.0ではプリントサーバー/クライアントとストレージサーバー/クライアントを互いに確認する、(3)プリンターの用紙サイズや種類、印刷品質など設定可能な項目を確認、(4)(ユーザーが)カメラから印刷条件を設定し、印刷命令を発行、(5)プリンターがカメラからファイル(印刷に必要な情報や撮影画像ファイル本体)の取得を開始、(6)印刷を開始、終了後にカメラに印刷終了を報告、という流れになる。連続して印刷する場合は、(4)~(6)の工程を繰り返す」といったもの。
なお、現時点でVer.0.9程度のドラフト状態であり細部は未定な部分もあるが、2003年2月のVer.1.0公開までに詰めていく、としている。

メリットその2 DPSデモ
エラーの発生時にも、原因や理由を液晶ディスプレー上に表示でき、ユーザーが対処しやすい画像の選択、印刷実行、メニューの呼び出しなど、基本操作はカメラのボタンの数や機能に関わらず統一するという

続いて、ソニーの黒田氏がデジタルカメラ側のメリットなどについて、「パソコンが無くても印刷できるほか、機種選択の幅が広がる、(パソコンからの出力と違い)ドライバーのインストールが不要」「さらに、複数枚の印刷や割付印刷が可能なほか、プリント前のプレビューやエラー、ステータスなどをカメラの液晶ディスプレーに表示可能」と説明した。

最後に日本HPの山崎氏が、ボタンや機能の違うカメラからの印刷までの手順をデモプログラムで実演して見せたが、その前にカメラ側のユーザーインターフェース(UI)の設計指針について「シンプルで一貫性のあるUIを基本とし、高度な機能は拡張メニューにまとめる。(デジタルカメラの)高級機から普及機まで、すべてのクラスで基本操作は同様にする」「プリンターとカメラが、何を行なっているのかが分かるようにし、障害が起こった場合には適切な対応方法を示すこと。それによりカスタマーセンターへの問い合わせが減らせる」などと解説した。

また、デモの後のQ&Aセッションでは、記者からの質問に対して、「アイコンなどUIの統一は、Ver.1.0には盛り込んでいない」「DPSの1号機(およびロゴ認証プログラム)の発表は、2003年5月ごろを目標としている。ただ、ロゴデザイン自体は今回の発表には間に合わなかった」「色管理方式はsRGBで統一しているが、同一のデジタルカメラとプリンターの間で最適化を行なうことについては、規格には特に盛り込んでおらず、従来同様メーカーの判断で行なってほしい」「カメラ付き携帯電話の市場が伸びているのは認識している。Ver.1.0ではUSB接続のみのサポートだが、(カメラ付き携帯電話の画像を印刷したいという)需要が高まれば、接続形態の変更のみで対応可能」「デジタルカメラの画像を外部保存したい、という要求も当然考えられる。今回は外部ストレージについては盛り込んでいないが、CD-R/RWや記録型DVDが筆頭に挙げられるだろう。将来の機能拡張として、検討していきたい」「既存の各社が独自に行なっている“ダイレクトプリント”については、当面併用していく予定」などと答えた。

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