10月16日から19日まで、“アジア最大のデジタル総合展”「WPC EXPO 2002」が東京ビッグサイトで開催されている。今年はLinuxブースといった特別な展示は行なわれないが、シャープ(株)の『Zaurus』など、目新しい製品も展示されていた。
新型『Zaurus』はもうすぐ発表? シャープ(株)
シャープ(株)のブースは、今回は液晶関連のほか、ノートPC『Mebius MURAMASA』と『Zaurus』をメインに展示していた。『Zaurus』ブースの奥には、「CEATEC JAPAN 2002」でも展示されていたキーボード付きの新型『Zaurus』が展示されていた。
キーボード付きの新型『Zaurus』。 |
ディスプレイを回転させて折り畳むとこのような形になる。画面も、横長から縦長タイプに回転している。大きさは『SL-A300』と同じくらいで、厚みは1.5倍程度になるようだ。 |
この『Zaurus』は、CPUにXScale-400MHzが使用されるといい、動作速度は『SL-A300』よりも向上するようだ。メモリ搭載量は現在のところ未定。画面は640×480ドットの表示が可能。本体左側にCFカードスロット、背面にSDカードスロットやIrDAポート、本体右側にUSB端子(クライアント)が用意される。また、背面にはディスプレイを反転している際に使用する、ダイヤルとボタンが装備されている。
本体背面には、上から電源ボタン、OK/Cancelボタンとダイアル、IrDAポート、SDカードスロットが設けられている。 |
そのほか、本体には電源LEDとは別に、封筒のイラストが描かれたLEDが配置されている。製品になった時点でどのような機能を持つかは未定だが、担当者によると、CFカードスロットにPHSカードや無線LANカードを挿入すると自動的にネットワーク設定を検出、接続し、メールボックスをチェックするような機能に使用するといったアイディアがあるようだ。
アプリケーションの互換性については、キーボードのマッピングや画面解像度、ディスプレイ反転時の表示変更といった処理が入るため、『SL-A300』で利用できたアプリケーションをそのまま利用するのは難しいようだ。
標準で搭載されるアプリケーションは、『SL-A300』のものはほぼすべて含まれるほか、Webブラウザ(『NetFront』になる予定)など複数のアプリケーションが追加されるという。
価格は今のところ未定。担当者によると、それほど法外な価格になることはなく、『SL-A300』にキーボードやCFスロットを搭載した分が上乗せされる程度のようだ。
製品はアクリルケースに収められていたため、実際に手にすることはできなかった。担当者によると、キーボードは基本的に両手で持って親指でタイピングする形になるといい、操作感は「携帯電話よりは優れたものになる」そうだ。このようなキーボード搭載モデルのアイディアは、Linuxザウルス開発の当初からすでにあったそうで、おもにビジネスユーザーをターゲットに「プロ用途の『Zaurus』」として販売されるという。正式な発表は11月以降になるようだ。
“Linux Zaurusブースでは、こうした製品のデモンストレーションとともに、LinuxやJavaの採用といった利点を全面に押し出し、公開している情報の案内や開発ツールの紹介行なうなど、開発者に対する呼びかけも盛んだった。
IBM『WatchPad 2.0』
日本アイ・ビー・エム(株)のブースには、腕時計型のLinuxマシン『WatchPad 2.0』が展示されていた。
『WatchPad 2.0』。外観は『WatchPad 1.5』とほぼかわらないが、CPUの変更やシステムのブラッシュアップなど、さまざまな改善がなされているという。 |
『WatchPad』は、2000年に発表されたLinux Watchをベースに開発された試作デバイス。腕時計サイズのハードウェアでカーネル 2.4やXウィンドウシステムなどが動作する。『WatchPad 2.0』では、CPUにPowerPCを採用し、動作速度が改善されている。
また、同社エンジニアリング & テクノロジー・サービスでは、『WatchPad 2.0』の基盤をベースに、CFカードサイズに収まるコンピュータ基盤を開発、提供するという。フォームファクターは顧客ニーズにあわせてさまざまな形状に変更可能なほか、ソフトウェア開発プラットフォームも、ITRONとLinuxを利用することができる。
『WatchPad 2.0』の基盤をベースに、CFカードサイズにまとめられた『MPP310』。IBMエンジニアリング & テクノロジー・サービスでは、『MPP310』をモジュールとして出荷するだけでなく、クライアントの要望に合わせて再設計サービスなども行なう予定だ。 |