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Matrox Parhelia(Fast Release版)

Matrox Parhelia(Fast Release版)

2002年10月04日 17時40分更新

文● 月刊アスキー編集部・小西

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Matrox Parhelia(Fast Release版)

Matrox/インフォマジック

03-5338-2701
http://www.infomagic.co.jp/

  • オープンプライス(予想実売価格6万円弱)

次世代のWindowsグラフィックアーキテクチャであるDirectX 9の仕様を先取りしたビデオカード、「Matrox Parhelia」がついに登場した。

Matrox Parhelia
写真1 DirectX 9の仕様先取り、3つのディスプレイを同時に使うSurround Gamingなど、話題満載の最新ビデオカードだ。

 Matrox ParheliaはMatrox社のビデオチップ「Parhelia-512」を搭載するAGPビデオカードである。128MBのDDR SDRAMを搭載し、AGP 4xのバスに対応する。写真2のようにブラケットにはDVI出力端子が2つ備わっており、2~3台のディスプレイへのマルチディスプレイ出力が可能である。3台目のディスプレイを接続する際には、付属のケーブルで分岐させる仕組みになっている。

ブラケット部
写真2 ブラケットにはDVIコネクタが2つ。アナログCRTや家庭用TVへの接続は、付属のコネクタやケーブルを使う。

 Parhelia-512はまだリリースされていないDirectX 9の仕様を一部先取りしたビデオチップだ。DirectX 9はDirectX 8と仕組みがかなり変わり、プログラマブルシェーダの機能を大幅に強化している。本来DirectX 9では、Vertex ShaderとPixel Shaderの両方がVersion 2.0になっているのだが、Parhelia-512はVertex Shader 2.0のみをサポートし、Pixel Shaderは1.3のままで、DirectX 8世代のGeForce4 Tiなどと同じである。そのため「プレDirectX 9世代」と言われるわけだ。

 256Mbitのメモリバスを搭載し、16GB/秒もの広帯域を実現しているのもParheliaの大きな特徴だ。メモリバス帯域はビデオカードのパフォーマンスに大きく影響するので、性能にも期待できる。
 また3台のディスプレイに同時表示を行う機能を使い、ゲームの画面をサラウンドのように表示する「Surround Gaming」という機能も搭載している。ただしこの機能はゲーム側が対応していないと使えない。



GeForce4 Ti4600には及ばない

 タイトルにもあるように、今回評価したのは「Fast Release」版という、本来の正式版とは若干仕様が異なる製品である。違いはビデオチップとメモリのクロックで、正式版がそれぞれ220MHz/275MHzに対し、FR版は200MHz/250MHzである。そのため正式版より若干パフォーマンスが劣る可能性がある。

テスト環境
ベンチ環境 CPU:Pentium 4-2GHz/マザーボード:Intel D850MD/メモリ:512MB RDRAM/OS:Windows XP/ドライバは7月下旬時点で各社Webサイトから入手可能な最新版を使用。
3Dmark 2001SE
グラフ1 DirectX 8対応のベンチマークテスト「3Dmark 2001SE」(http://www.madonion.com/)の計測結果。画面モードは1024×768ドット/32bit。AA onは4pointアンチエイリアスか、Parheliaの16pointアンチエイリアスを有効にした状態。
3Dmark 2000
グラフ2 DirectX 7対応のベンチマークテスト「3Dmark 2000」の計測結果。画面モードは1024×768ドット/16bitと32bit。

 3Dmark 2001SEの結果を見ると、総合成績ではGeForce4 Ti4600やRADEON 8500には及ばない。ただし全画面アンチエイリアスをかけた場合は別だ。Parheliaには輪郭線部分にのみアンチエイリアスをかける機能があり、処理負荷を抑えて画面の品質を向上させられる。その結果がアンチエイリアス時のパフォーマンスに影響しているのだろう。DirectX 7ベースの3Dmark 2000も比較対象には及ばなかった。全体的にパフォーマンス不足の感はあるが、ハードウェアT&Lのエミュレーションによるパフォーマンス面のデメリットはあまりないようだ。

 売りの機能であるSurround Gamingは面白い機能だが、モニタを3台も用意しなくてはならず、よほどのマニア以外には実用的ではない。DirectX 9の機能を完全サポートしていない点も、今後各社からフルDirectX 9世代のビデオチップが登場することを考えると、将来性が気にかかる。パフォーマンスは悪くないが現状最速というわけでもなく、価格も6万円弱と高価だ。せめてもう少しパフォーマンスが高ければよいのだが、現時点では万人にお勧めとは言い難い。

Matrox Parhelia FR(First Release)版の主なスペック
製品名 Matrox Parhelia FR(First Release)版
ビデオチップ Parhelia-512
ビデオメモリ DDR SDRAM128MB(250MHz駆動、500MHz相当)
出力端子 DVI-I×2(付属ケーブルでDVI→D-sub×1とDVI→D-sub×2に変換可能)
ボードサイズ 98×174mm

競合製品レビュー

Matrox Parhelia/RADEON 9000 PRO SPECTRA WF17/3D Blaster 4 MX460 AGP 64MB
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