Matrox/インフォマジック/PowerColor(CP Technology)/アスク
実売価格 5万円台半ば(Matrox Parhelia)
実売価格 1万円台後半(RADEON 9000 PRO)
- http://www.infomagic.co.jp/(インフォマジック)
- http://www.ask-corp.co.jp/(アスク)
- http://www.cptech.com.tw/(CP Technology)
高画質な2D表示が可能なMilleniumシリーズで根強い人気を誇るMatroxから、待望の新GPU「Parhelia-512」搭載のビデオカードが登場した。一方の「RADEON 9000」(コードネーム:RV250)は、ブランニューのビデオコアを採用しているわけではない。数字こそ大きくなっているものの、これまでのRADEONシリーズの最上位モデルであるRADEON 8500の廉価版にあたる製品なのだ。これら注目の2製品を実力診断した。
3D性能はほどほども機能面では充実
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写真1 Matroxから久々に登場したハイエンドクラスのビデオカード、「Matrox Parhelia」。3D性能はトップというわけにはいかないが、Matroxならではの機能は魅力的だ。 |
今回はインフォマジック扱いの「Matrox Parhelia FR(First Release)版」を入手し、テストを行った。
まず、Parhelia-512の特徴を簡単に確認しておくと、
- バーテックスシェーダ 2.0搭載
- ピクセルシェーダ 1.3搭載
- 256bit幅のメモリバスをサポート
の3点が大きい。細かな機能の詳細は省くが、DirectX 9の仕様ではバーテックスシェーダ/ピクセルシェーダともに2.0の搭載が要求されていることを考えると、Parhelia(パフィリア)は準DirectX 9世代カードといえる(写真1)。
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写真2 全面ヒートスプレッダに覆われたGPU「Parhelia-512」。トランジスタ数は8000万で製造プロセスは0.15μm。 |
また、256bit幅という広大なバス幅をサポートしたことにより、DDR 500MHzのビデオメモリで16GB/秒という非常に大きな帯域を確保している。ライバルのGeForce4 Ti4600が128bit幅ゆえ、DDR 650MHzで動作するメモリでも10.4GB/秒しか得られていないことを考えると、Parheliaがデータの処理量が増える高解像度で、より強みを持つであろうことは容易に想像がつく。
さて、ベンチマークの結果だが、DirectX 9が正式にリリースされておらず、当然対応ベンチソフトも存在しない現状では、DirectX 8ベースのベンチソフトで性能を比較するほかない。そこで、まず普通に3DMark 2001SEで測定した結果がグラフ1だ。
ベンチ環境 CPU:Pentium 4-2.4BGHz/マザーボード:Intel D850EMV2(i850E)/メモリ:PC800 RIMM 256MB/OS:Windows XP Professional英語版
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グラフ1 3DMark 2001 SE |
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グラフ2 3DMark 2001 SE+アンチエイリアス |
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グラフ3 QUAKE III Arena |
この結果ではGeForce4 Ti4600、RADEON 8500という二大カードに及ばないのがハッキリしている。ただ、アンチエイリアスをオンにすると事情が変わる(グラフ2)。Parheliaはアンチエイリアスとして、一般的なFSAA(Full Scene Anti-Aliasing)のほかに、FAA 16x(Fragment Anti-Aliasing)と呼ばれる独自のアンチエイリアスをサポートしている。このFAAは、画面全体にアンチエイリアシング処理を施すFSAAに対し、主にオブジェクトの境に処理を限定することであまり性能低下せず、高画質の画面表示を可能にする。実際、ベンチマークプログラムの画面で見比べた限り、FSAA 4xとの差はほとんど感じない。この場合のスコアは1280×1024ドット以上において、GeForce4 Ti4600を上回った。とはいえヘビーゲーマーの場合、アンチエイリアスよりフレームレートを重視する傾向があるのを考えると、Parheliaの3D性能を現時点でのハイエンドクラスと評価するのは正直難しい。
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図 TripleHeadは個々が独立した画面ではなく、3画面並んだ横長(もしくは縦長)の解像度を設定する形になっている。 |
3D性能以外ではセカンダリ側にオーバーレイ画面をフル表示するDVDMaxを始め、Matroxならでは機能は引き継がれている。さらに、DualHeadを超えるTripleHeadを実現している。これはParheliaに用意されているDVI×2の端子のうち、片方にD-sub15ピン×2の専用分岐ケーブルを接続することで、3画面にもわたる広大なデスクトップが実現できるものだ(図)。
価格は5万円台半ばからと、3D性能を考えればかなり高めなのは確かだが、切れのある2D画質は相変わらずで、TripleHeadも含め、Matroxファンにとっては十分購入を検討する価値はある。
