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コアグループ、2002年経営方針発表会を開催――中国を中心にグローバル展開

2002年01月22日 21時52分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)コアは21日、報道関係者を集め、経営方針および新製品の発表会を開催した。同社代表取締役社長の種村良平氏は、まず同社が東証2部上場申請中であることを話した。同氏は、「上場申請中なので、今後の売れ行きや見通しなどについては話せないのが残念だ」と述べ、2001年度の中間期の売り上げについて発表した。

同社代表取締役社長の種村良平氏
同社代表取締役社長の種村良平氏

それによると、コア単独の売り上げ高は84億4000万円(前年同期比116.4%)、経常利益は6億9000万円(同205.1%)、連結ベースでは売り上げ高87億円(同114.4%)、経常利益は7億5000万円(同181.2%)。売り上げ高の内訳を見ると、情報通信ソリューションサービス事業が51.3%、ビジネスソリューションサービス事業が33.6%、プロダクト・販売等事業が15.1%となっている。

続いて同氏は、今後の重点推進事項について発表した。同社は“基礎、開発、発展、成長”という段階を終えて“飛躍”を図るために、2002年から2004年に渡る“第7次3ヵ年計画”を策定した。初年度である2002年には、先端技術への投資や、e-Japanプロジェクトを中心としたナショナルプロジェクトの推進、ストックオプションや社内ベンチャー制度、情報開示体制など社内体制の強化を行なうが、特に重点的に注力していくのは、新開発拠点の活用と、中国市場の基盤拡大だという。

新開発拠点とは、同社が2001年9月から工事を行なっている山口県山口市の“西日本e-R&Dセンター”のことで、2月には竣工し、4月から本格稼働する。同センターは、西日本におけるeビジネス、環境ビジネス、地域ITビジネス、ASP事業などを推進する拠点になるという。

中国市場の基盤拡大については、同社は以前から中国を重要視しており、北京と上海の中国2法人の体制を強化する。1984年に設立した“北京コア”は、現在の86名体制から、2002年中に100名体制に増強し、2003年には150名、2004年には200名体制に増強する。また北京市朝陽区にあるオフィスも、人員増強にともなって同市内の東城区に移転し、21日に新オフィスで業務を開始したという。2001年10月に設立した上海ココは、2002年には現在の20名体制から30名体制、3年以内に100名体制に増強する。

また、同社の新製品・新サービスの紹介も併せて行なった。発表した新製品・新サービスは、製造業向け情報管理システム『e-OpenPDM Collaboration Suite』、IT資産管理ツール『ITAM Workflow』、位置情報統合配信サービス『LPS』、ビデオ・アーカイブソフト『Video Archives Manager(仮)』の4つ。

e-OpenPDM Collaboration Suite(イーオープンピーディーエム コラボレーションスイート)は、ERPやSCMなどの部分最適化システムに代わり、製造業の業務全般の情報を一元的に管理する情報管理ソフト。既存の“OpenPDMシリーズ”と完全互換で、製造する製品のライフサイクル情報をウェブベースで管理できる。3月から販売を行なう。基本価格は350万円。初年度約3000クライアントへの売り上げを見込んでいる。

ITAMの操作画面
ITAMの操作画面

ITAM Workflow(アイテム ワークフロー)は、ネット上のパソコンやソフトから什器、備品、リース品、レンタル品など資産に関する人、物、金、場所の情報をデータベース管理できるソフト。ITAMは“IT Asset Manager”の略。2月から販売を行なう。価格は800万円。カスタマイズサービスにも対応しており、初年度10ユーザーへの導入を見込んでいる。

LPSで位置情報検索をした結果の画面LPSで位置情報検索をした結果の画面

LPS(エルピーエス)は、PHS端末とGPSの位置情報を、携帯電話端末(iモード/EZweb/J-SKY対応)で閲覧できるASPサービス。位置情報は地図上の表示と、最寄りのランドマークとそこからの距離を文章で表わしたものとの両方で確認できる。ブラウザー機能付きPHSを利用すれば、PHS・GPS端末の位置情報を表示できるほか、位置履歴検索、住所検索などの機能も利用できる。サービスの利用料金は、加入料は1000円で、利用料金が1回あたり100円程度の予定(個人ユーザーの場合)。4月にサービスを開始し、初年度に約2億円の売り上げを見込んでいる。

Video Archives Manager(ビデオ アーカイブス マネージャー:仮称)は、同社が2001年末に日本アイ・ビー・エム(株)からライセンスを購入したビデオアーカイブソフトを、自社製品として販売するもの。ビデオ映像をデジタル化した後、映像の変わり目を抽出し、代表的なフレームをサムネール画像としてデータベースに自動的に登録する機能を備える。同製品は、映像ライブラリー分野の中核製品と位置づけられ、2月から映像管理・配信ソフトウェアパッケージとして販売する。価格は、クライアント/サーバー型が200万円、パーソナル型が8万円の予定。初年度に20ユーザーへの導入を見込んでいる。

同社では、株式公開を行なう企業として増収/増益を目指し、顧客満足度だけでなく、株主満足度の向上もにらんで事業を推進していくという。常に情報サービス業界売上高平均伸び率(前年比8.4%)、売上経常利益率(5.4%)をクリアし、また自社製品の売上比率30%を達成することを目標にし、優良企業を目指すとしている。

コア学園グループの事業展開――地域のニーズに応え社会に貢献

発表会の最後には、(株)クリエイティブ21など関連企業群で構成される“コア学園グループ”の今後の事業方針について、クリエイティブ21代表取締役社長の渡辺幸久氏が発表を行なった。コア学園グループは、各地域や自治体とタイアップして、教育・コンテンツ事業から、地域活性化(情報化)事業、医療・福祉事業などを展開している。地域の要望に応じて、全国各地でIT関連講習会も実施しており、2001年には565講座、約1万2000名が受講したという。

クリエイティブ21代表取締役社長の渡辺幸久氏
クリエイティブ21代表取締役社長の渡辺幸久氏

今後の事業方針としては、2003年4月に秋田コンピュータ専門学校に“日本語コース”を新設する。アジア圏での日本語学習人口の拡大に対応するという。また、リハビリ医療専門学校の山口コ・メディカル学院には、年々学生の応募が増えるため、2003年度を目標に、1学年の定員を80名から100名体制にするという。具体的には、理学療法学科と作業療法学科の定員を、それぞれ30名から40名に増員する。これによって高齢化社会に対応する人材育成を図り、地域のニーズに貢献していくとした。

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