今週になって、Athlon XPリテールボックスの全ラインナップがアキバにデビュー。また“サーバ/ワークステーション用Athlon XP”とも言うべき、モデル・ナンバー採用の新型Athlon MPも1800+/1600+/1500+の3製品すべてが店頭に並んだ。現段階ではまだ取り扱いショップが限られてはいるものの、茶色のOPGAパッケージは初登場から2週間以上が経過し、アキバに馴染んできたように見える。
発売になったAthlon XP 1800+のリテールボックス |
今週はこのほかにもDuron-1.1GHzのリテールボックスが登場するなど、AMD陣営の新製品ラッシュといったところだが、一方で現行のThunderbirdコア版Athlonはかなり早いスピードでXP/MPと入れ替わるようだ。Thunderbirdコア版Athlonはx86 CPUとしてはじめて1GHzの大台を突破したことから「GHzの領域を超える」CPUとしてマーケティングを行った過去があるだけに、「周波数の壁を超える」Athlon XPの販売促進に、Thunderbirdコア版Athlonが足を引っ張る可能性があるとAMDは考えたのかもしれない。
すでにAMD製CPUの国内代理店からはAthlon 1.33GHz以下とDuron 950MHz以下のラインナップを受注終了する旨がショップに案内されており、Thunderbirdコア版Athlonは、K6シリーズと同じように最上位モデルの1.4GHzを除いて市場から消え行くことになりそう。実際のところ、アキバに流通するAMD製CPUのほとんどは海外からの並行輸入品であるため、一朝一夕にThunderbirdコア版Athlonが姿を消すわけではないものの、「すでに海外の市場でも品不足傾向にある」(複数ショップ)など、流通量が減少傾向にあるのは間違いない。現在、Athlon XP/MPをサポートしないマザーボードで“MHz”クラスのAthlonを使っていて、CPUの載せ換えを考えている人にとって、それほど多くの検討時間は残されていないだろう。
Pentium 4-1.5GHzの品不足はかなり深刻
本格的な流通量回復はしばらく期待できない?!
1.5GHzの品不足を伝えるポップ。「一部の海外ルートでは、仕入れ値が2万円を超えている」(複数ショップ) |
ともすればAMDの攻勢に押されている印象を受けがちなPentium 4だが、実際には売れ行きは極めて堅調。「Athlon XPの登場による影響はなかった」と捉えるショップが多いようだ。そんななか、Pentium 4-1.5GHzの品不足は10月第1週に比べてさらに悪化。毎週数個単位では入荷しているため本格的に“干上がる”ような事態にはなっておらず、また一部には「峠は越えた」と見る向きもあるものの、多くのショップは今後も同CPUの入荷量回復について悲観的な見方を崩していない。このため安価にPentium 4システムを組みたい人の多くはPentium 4-1.6GHzに流れているようだ。また、未発表のまま登場したPentium 4-1.4GHzが選択肢として今後浮上してくる可能性もある。