インターネット博覧会“インパク”の第1四半期(2001年1~3月)の表彰式が30日、総務省大臣官房 新千年紀記念行事推進室の主催で開催された。
第1四半期表彰式。賞状を手渡す糸井重里インパク編集長 |
石井威望東京大学名誉教授を座長に、コピーライターの糸井重里氏や作曲家の小倉佳氏、作家の田口ランディ氏らが審査委員を構成し、インパクに出展しているパビリオンの中から大臣賞、アクセス賞、エンターテインメント賞などの分野賞を決定した。
400を超えるパビリオンの中から新千年紀記念行事担当大臣賞を受賞したのは、トヨタ自動車(株)の出展する“クルマ、夢と出会いを語るもの”。同サイトは、トヨタの往年の名車の数々のギャラリーやゲーム、掲示板、カーショップなどで構成されている。
大臣賞を手渡す竹中平蔵新千年紀記念行事担当大臣 |
“クルマ、夢と出会いを語るもの” |
新千年紀記念行事懇話会座長賞には、(株)エー・ジーの“ライト兄弟初飛行100周年記念 紙飛行機世界大会”が選ばれた。同サイトは、ライト兄弟の最初の記録、空中滞在時間“12秒”を紙飛行機で超えること目指す。また、浜松市の“楽器と音楽のまち 浜松発~音の器~”も同時に受賞した。
そのほかの受賞作は、以下のとおり。
アクセス賞
- 1位、“クルマ、夢と出会いを語るもの”・・・・・・トヨタ
- 2位、“市―ふるさとの賑わい―”・・・・・・高知県
- 3位、“J-PHONE SKY Pavilion”・・・・・・J-フォングループ
- 4位、“インターネットバーチャル家族”・・・・・・アートコーポレーション(株)
- 5位、“インターネットも、楽しくなければテレビじゃない! ―秘密倶楽部 o-daiba.com―”・・・・・・(株)フジテレビジョン
分野別賞
- エンターテインメント賞
- “フェリックスの世界旅行~フェリックスの手紙・インターネット版~”・・・・・・エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)
- “地域文化のふれあい/妖精妖怪わいわいランド”・・・・・・東日本電信電話(株)
- 社会貢献賞
- “21世紀は社会福祉士の時代 ~より良き福祉社会実現のために~”・・・・・・Welfare-net21
- “情報教育実践サイト:FATHeRS ―調べてみよう、伝えてみよう―”・・・・・・富士通(株)
- デザイン賞
- “フェリックスの世界旅行~フェリックスの手紙・インターネット版~”・・・・・・NTTコミュニケーションズ
- “J-PHONE SKY Pavilion”・・・・・・J-フォングループ
- “インターネットも、楽しくなければテレビじゃない! ―秘密倶楽部 o-daiba.com―”・・・・・・フジテレビ
- アイデア賞
- “コミュニケーション・サーカス”・・・・・・エヌ・ティ・ティ・コムウェア(株)
- “市―ふるさとの賑わい―”・・・・・・高知県
- “J-PHONE SKY Pavilion”・・・・・・J-フォングループ
- 技術賞
- “次世代エンターテインメントの想像”・・・・・・シーエムジャパン(株)
- “クルマ、夢と出会いを語るもの”・・・・・・トヨタ
編集長賞
- 1月 糸井重里編集長賞
- “ライト兄弟初飛行100周年記念 紙飛行機世界大会”・・・・・・エー・ジー
- 2月 荒俣宏編集長賞
- “コンピュータ・グラフィックスで巡る―古代文明都市 バーチャル・トリップ”・・・・・・大成建設(株)
- 3月 清水ちなみ編集長賞
- “麺―深い歴史に支えられたもてなしの心―”・・・・・・香川県
国際賞
- “歌舞伎パビリオン”・・・・・・松竹(株)
- “エクセリアル~「リアルを超えた現実」への入り口~”・・・・・・ソニー(株)
- “楽器と音楽のまち 浜松発~音の器~”・・・・・・浜松市
優秀投書・投画作品賞
- “学校の輪「行ったことのない学校のホームページを作ろう」”・・・・・・南陽市立中川中学校、宮崎市立本郷小学校、富山市立長岡小学校、富山市立蜷川小学校、池田町立池田小学校、松任市立東明小学校
- “対決”・・・・・・シャチ
国務大臣(新千年紀記念行事担当)の竹中平蔵氏は、表彰式に遅れて駆けつけた。遅れた理由として、国会が開会中で予算委員会に出席しなければならないことを挙げ、「大臣の仕事はずっと座りつづけること」で、それで時間を失なうことが民主主義のコストだと話した。
竹中平蔵新千年紀記念行事担当大臣 |
そして竹中氏が「大学の授業などでは多くの学生たちがノートパソコンを広げるが、国会でノートパソコンを開ける議員はいない。議場で、大臣席でノートパソコンを広げてインパクを見ながら時間をすごせるようになればいい」と話すと、会場内から拍手が沸き起こった。
まず順当な結果
審査にも加わったインパク編集長の糸井重里氏は、今回の表彰について、インターネット上のパビリオンというものを非常に短い期間で立ち上げた「パビリオンの現場の担当者、ゼロから作り上げた人々には敬意を表したい」と話した。
糸井重里インパク編集長 |
糸井氏の選んだ“ライト兄弟初飛行100周年記念 紙飛行機世界大会”のようなものもあるが、そのほかの受賞したパビリオンは有名企業のものが多いのでは、という問いに対しては「やはりそういった企業などは蓄積してきたノウハウがあり、それを応用できる」ためであり、まず順当な選考結果になったとしている。
その一方で、糸井氏は実際のインパクの運営については、さまざまな問題があるとしている。「田口ランディさんや栗山英樹さんがあれこれ頑張っているが」なかなか難しいものがある。残り半年の自らの仕事は、表の人々を裏で支える「野球のフロント」のようなものだと語った。