インターネット上で書籍販売事業を手がけるビー・オー・エル・ジャパン(株)の田中功代表取締役社長は17日、同社が開催した新年記者懇親会で今後の事業展開などについて語った。
BOLジャパンの田中功代表取締役社長 |
スピーチの中で田中社長は「よく米アマゾンの日本進出の影響についてきかれるが、11月と12月の売り上げを見る限りはまったく影響は見られない。むしろ書籍のオンライン販売が注目されてパイが広がったと見るべきだろう。最近感じることは出版社と当社の間の距離が縮まったことだ。出版社から新刊書籍を持って売り込みに来ていただけるようになった。昨年の6月22日に事業を開始したときは、一般小売り書店への影響を考えてか、距離を置いているという感じだった。昨年スティーブン・キングの『ライディング・ザ・ブレット』を2ヵ月BOLのみで先行販売した際に、一般書店でも売り出されるとすぐにベストセラーとなり、一般書店の売り上げに影響がなかったことで安心感が出たのではないか。新刊書籍の予約販売についてもスムーズに話が進んだ」と、事業開始後の半年を振り返った。なお、事業の具体的な数字についてはベルテルスマングループの方針ということでいっさい明らかにされていない。
今後の計画については「親会社のベルテルスマングループが(米国のオンラインCD販売会社である)シーディーナウ(CDNOW)を傘下におさめたことにより、1月末からCDの取り扱いを開始する。当初はCDNOWを通じて購入する形だが、いずれはBOLのシステム内で統合して扱う。年内にはDVDの販売も開始する予定」という。また、1月までとしている書籍送料の無料サービスについては「1月いっぱいで終了する。当然短期的には赤字だったが、長期的にはプラスになったと考えている。送料の有料化に当たっては、BOL独自の付加価値を付けるといった顧客サービスの向上を図っていく」と述べ、送料無料サービス期間の延長はないとした。2月以降の具体的な送料については明言されなかったが、ある程度以上の金額を購入した顧客に対しては無料とする考えを示した。