“TOMATO”のブランドを持つZIDAから、色鮮やかなオレンジ色のヒートシンクが目につくマザーボード3枚がアキバに登場した。ZIDAは日本ではそれほどメジャーではないが、430VXチップセットの時代から“小さなマザーボード”を作るのが得意なベンダーだ。また旧プラットフォームとなるATレイアウトのマザーを作り続ける数少ないベンダーでもある。扱っているのは最近BabyATのマザーボードを多く入荷しているソフトアイランド秋葉原店。
ApolloProPlusを搭載する激安ATマザー「BXv98-CU」
1つめは今時珍しい、というよりもすでに時代遅れの感すらあるVIA ApolloProPlusを搭載するマザーボードだ。ApolloProPlusは最新のApolloPro133Aから2世代前のチップセットにあたる。
CPUソケットはSocket370で、FC-PGAのPentium III/CeleronやPPGAのCeleron、Cyrix IIIに対応する。しかしサポートされるFSBは66/100MHzのみなので、FSB 133MHzのPentium IIIは利用できない。BabyATレイアウトだが拡張性はわりと高く、スロットはAGP×1、PCI×3、PCI/ISA×1、ISA×1。DIMMスロットは3本という構成になっている。電源コネクタはATとATXを備え、T810Bと同様、ATXケースでも使うことが可能だ。なお、SouthBridgeは“VT82C596A”で、UltraATA/33をサポート。この点は少々物足りない感もある。
同製品はコストパフォーマンスを求める人に最適な選択肢だ。何しろ価格は安価な6980円。ATのケースを転がしておくのがもったいない人におすすめしたい。
T810B-SE = BabyAT + i810 + Slot1/Socket370
2つめは「T810B-SE」。“BabyATでi810でSlot1/Socket370”というマザーボードだ。もうこの時点で珍しいどころか、こんなマザーボードは前代未聞である。ちなみに、Slot1とSocket370は当然ながら排他利用だ。
チップセットがi810なのでAGPは搭載せず、PCIが4本、DIMMスロットが2本という構成。電源にはATコネクタの他にATXコネクタも配置されているのでATXケースなどでも使うことが可能だ。IDEはUltraATA/66対応で、サウンドチップをオンボードで搭載している。ただし、サウンド関係のコネクタはオンボードではなく、COMポートなどと同様、付属するPCIスロット用のベイとマザーボードをフラットケーブルで結ぶ格好になる。このため、オンボードのサウンド機能を用いる際にPCIスロットが1本使えなくなってしまう点は注意してほしい。
このマザーの使い道だが、BXv98-CU/V693と同様、余っているATケースの有効活用、同じく余ってしまったCPUの活用などサブマシン的な用途にはぴったりだと言えるだろう。CPUはPentium II~FSB 100MHzのPentium IIIまでをサポート。ビデオ機能内蔵で7980円と安価なのも魅力である。
高いコストパフォーマンスが魅力な「PM133」
最後にVIA Apollo KT133を搭載するSocketAのマザーボード「PM133」。フォームファクタがMicroATXという以外に特別変わった点はないが、こちらも9980円とコストパフォーマンスは極めて高い。拡張スロットはAGP×1、PCI×3。DIMMスロットは2本で、SouthBridgeの“TV82C686A”により、IDEはUltraATA/66対応となっている。サウンドチップもオンボードで搭載しており、Duronなどと組み合わせればコストパフォーマンスも、マシンパフォーマンスも高いマシンが組み立てられるだろう。
なお、基板には気になるシルク印刷があり、VGAとTVのコネクタを装着するランドが存在する。PM133という型番から推測するに、VGAを統合したVIA ProSavageを搭載する予定だったのかもしれない。ただAthlon用のProSavageチップセットは「KM133」であり、「PM133」だとIntel CPU用になってしまう。謎だ。
電池の置かれ方もなかなか謎だ |
【取材協力】