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“国際ワイヤレス/モバイルソリューション展”レポート――100を超える出展社数

1999年07月22日 00時00分更新

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“国際ワイヤレス/モバイルソリューション展”が、7月21日(水)から23日(金)まで、東京ビッグサイトで開催中だ。主催は(株)リックテレコムで、入場料は2000円。やや業界寄りのコンベンションだが、昨年の幕張メッセから東京ビッグサイトに会場を移し、出展者も過去最大の100社以上となった。LANや営業活動支援ツールなどの企業ユーザー、次世代移動体通信、ワイヤレスソリューションに関連した技術者、ショップ・販売店などの企業・ビジネスユーザーに加え、一般ユーザーにも興味深い製品や展示が多い。“ワイヤレス国際ビジネスセミナー”、“モバイル&ワイヤレスネットワーク事例提案セミナー”などのセミナーや、ワークショップなども行われているが、こちらの方はかなりビジネス/技術者向けのものだ。

元気なのは携帯電話?

携帯電話やPHSの展示が元気だ。携帯電話会社各社のブースでは従来のNTTドコモが独占していた状態比べると、IDOやDDIなどセルラーグループの“cdmaOne”の攻勢が目立つ。また、音質がいいことを売り物にしているJ-Phoneも元気がよく、それらに反攻する形のNTTドコモと、現状そのままの状況を反映しており各社とも活発だった。

NTTドコモのウェブブラウズ可能なポケットボード『Browser Board』。シャープの『コミュニケーションパル』を大幅に機能強化
NTTドコモのウェブブラウズ可能なポケットボード『Browser Board』。シャープの『コミュニケーションパル』を大幅に機能強化



中でもNTTドコモは、“W-CDMA”、“iモード”、“ドッチーモ”、先週発表になったばかりのWebブラウズ可能なポケットボード『Browser Board』、モバイルメールビジネスサーバ『バリューメール』、“DoPa”、“02・Do”など興味深い展示が多かった。W-CDMAのTV電話機は、あちこちの展示会で参考出展しているもの。また、iモード端末でJavaに対応した試作機が、Java Confenceと同様に参考出展されていた。簡単なゲームのデモや、各種コンテンツのインターフェースのサンプルを見ることができる。

Personal Javaを搭載したiモード携帯電話(画像は松下通信工業製)。ゲームなども可能
Personal Javaを搭載したiモード携帯電話(画像は松下通信工業製)。ゲームなども可能



PIAFS 64K/32Kと携帯電話9600bps双方でのデータ転送が可能なPHS・携帯電話カード、『モバイルカードデュオ』もなかなか魅力的な製品だ。

カシオ計算機の『E-500SP』Sm@rt Pictureで携帯電話、PHS、公衆回線、衛星移動通信サービスなどから画像伝送が可能。ソフトのみの別売りはしていない
カシオ計算機の『E-500SP』Sm@rt Pictureで携帯電話、PHS、公衆回線、衛星移動通信サービスなどから画像伝送が可能。ソフトのみの別売りはしていない



また、カシオ計算機では、人工衛星を使って画像転送を行なうシステムである“Sm@rt Picture”対応端末『E-500SP』(13万5000円)、『E-55SP』(10万円)も展示されていた。デジタルカメラで撮影した画像を、携帯電話や公衆回線を使って衛星経由で伝送することができる。また、コダックGPSデジタルカメラシステムも展示されていた。こちらでは、カメラ撮影時にGPSの位置情報を取得し、画像上に写しこむことができる。

参考出品されていた、NTTドコモの“いまどこサービス”専用端末
参考出品されていた、NTTドコモの“いまどこサービス”専用端末



さらに、通話はできないタイプの“いまどこサービス”専用の青いPHS端末が参考出展されていた。10月頃発売予定で、希望小売価格は1万円程度だが、実売は大幅に下がるだろうと予想されている。サービス価格もかなり安価なようだ。子供に持たせたり(従来のPHSでは、通話されて困るのだそうだ)、徘徊老人に持たせたりといった需要が見込まれるという。

IDOブースでは、cdmaOne携帯電話、“EZアクセス”、“Cメール”などのデモンストレーションを行なっていた。第二電電でも、IDOと同様cdmaOne携帯電話による通話体験、“EZweb”体験などのコーナーがあった。

SIIの“αDATA64”対応のデータ通信カード
SIIの“αDATA64”対応のデータ通信カード



また、DDI東京ポケット電話ブースでは、“PメールDX”、“文字電話”、京セラの“ビジュアルホン”などの展示、64Kデータ通信サービスのデモンストレーションと案内などを行なっている。中でも、先日発表されたばかりのハイブリッド携帯通信『H゛(エッジ)』は、三洋電機製のPHSを使ったデモが行われている。64Kbpsの“αDATA64”に対応しており、車による移動中でも、電波を探して切り替えるので切れにくいという。セイコーインスツルメンツ(SII)からは、DDIポケットの64KbpsサービスであるαDATA64対応のデータ通信カード『MC-6550』が展示されていた。

J-PHONEの“スカイウェブ”。対応ウェブページはまだまだ数が多いとはいえないが、さまざまな努力が行なわれている
J-PHONEの“スカイウェブ”。対応ウェブページはまだまだ数が多いとはいえないが、さまざまな努力が行なわれている



東京デジタルホン(J-PHONE)は、“スカイウォーカー”、“スカイウェブ”、“スカイメロディ”を中心に展示している。ユーザーが実際に電話をかけて試すことができる。

ノキアのWCDMA製品をイメージしたモックアップ
ノキアのWCDMA製品をイメージしたモックアップ



ノキアの“Bluetooth”対応端末の試作機。動作可能でメニューなどの表示ができる。メールや各種のサービスが興味深い
ノキアの“Bluetooth”対応端末の試作機。動作可能でメニューなどの表示ができる。メールや各種のサービスが興味深い



ノキア・モービル・コミュニケーションブースでは、“Bluetooth”端末を参考出展しており、また、シンビアンの“EPOC OS”、WAPへの対応などを紹介している。Bluetoothは、無線免許が不要な2.4GHz帯の小電力無線データ通信技術。モバイル機器間などの通信をより簡単に効率よく行なう。

クアルコムは、86.4Kbps高速パケットデータ通信を実現したチップセットや“cdma2000”用を中心に各種の無線端末用システムチップを紹介している。

東芝のWCDMA端末をイメージしたモックアップ
東芝のWCDMA端末をイメージしたモックアップ



また、東芝ブースや松下通信工業/松下電器産業、京セラなどのブースでもさまざまな最新型の携帯電話・PHS端末が展示されている。

各種無線LANも続々登場

メルコの無線LAN製品『AIRCONNECT』。導入を検討させる価格になってきた
メルコの無線LAN製品『AIRCONNECT』。導入を検討させる価格になってきた



メルコは、無線LAN簡単導入パックのルーター機能搭載モデル『WLAR-PCM2』を展示。9万8000円という価格ながら、モデムやTAと接続することで無線LANからダイアルアップ接続が可能。ルーターとPCカードタイプ2枚のお得なセットだ。また、アドテックの高速SS無線LANシステム『ADLINK440S』は、通信速度11Mbpsで6万8000円とう低価格が売り。

企業向けの無線LAN製品やサービスは、NTTエレクトロニクス(2.4GHz帯無線LANシステム)、オリンパスシンボル、関西電機、クラリオン、ケイテック、コーラスコンピュータ、コンテック、シーティシー・エスピー、ジェピコ、嶋田理化工業、昭和電線、日本NCRなどが展示している。

ノートパソコンとその他の携帯電話グッズなど

ノートパソコンは出展社が少なく、東芝と松下電器産業が展示していた程度だ。東芝ブースでは、これから発売される『Libretto ff 1100』や『DynaBook 3300』シリーズなどが展示されていた。松下電器産業では、人気の“Let'snote”シリーズなどおなじみの製品が紹介されている。

また、“モモ”や“カリメロ”、“ピングー”などのキャラクターを使った携帯電話ストラップや、“あしたのジョー”や“リカちゃん”、“ゲゲゲの鬼太郎”などの携帯電話用シール、アンテナライトなどもこのイベントの楽しみの1つだ。

オズマの携帯電話用充電器。単5電池利用というのが珍しい。2階充電すればほぼフル充電になるとか
オズマの携帯電話用充電器。単5電池利用というのが珍しい。2階充電すればほぼフル充電になるとか



オズマの携帯電話用急速携帯充電器『powerPack』は、単5型アルカリ電池というやや特殊な電池3本を使用してデジタル携帯電話のバッテリーに充電する。単5電池はコンビニの6、7割に置かれているということで、採用に踏み切ったとのこと。充電時間は約30分で、約70分の通話が可能になるという。PDC用とcdmaOne用があり、価格は各3700円。8月中旬発売予定。また、車載用DC急速充電器『パワーチャージャー』は、PDC用、cdmaOne用が各6200円で発売中。

なお、次回開催の“国際ワイヤレス/モバイルソリューション展2000」は、2000年7月17日(月)~19日(水)、東京ビッグサイトの西3、4ホールで行われる予定。年々規模が大きくなっている伸び盛りのイベントだ。

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