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レッドハット始動

1999年12月02日 02時14分更新

文● テンアートニ 佐藤栄一

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 いよいよレッドハット(株)(米国Red Hatの日本法人)が本格的な活動を開始しました。当社も「レッドハット認定マスターSIディストリビュータ」の1社として、「レッドハット認定SIリセラー」および「レッドハット認定ゴールドSIリセラー」の支援を行ないます。

 Linuxに関して、このようなビジネス活動を安易に否定される方もいることでしょう。Linuxが、コミュニティから離れていくような感覚があるかもしれません。しかし、コミュニティとビジネスユーザーの関係は、現在とほとんど変わりません。決して、ビジネスユーザーが、コミュニティーからLinuxを取り上げるような真似はできません。レッドハット(株)と認定マスターSIディストリビュータは、LinuxビジネスをLinuxの販売ではなく、サポートビジネスとして位置づけているのです。

 レッドハット(株)を頂点に、認定マスターSIディストリビュータから認定SIリセラー(ゴールドSIリセラー)へ、さらにエンドユーザーへと企業向けディストリビューションパッケージが流れて行きます。しかし、このディストリビューションパッケージは、ほぼ無償で提供されます。もちろん、付随するサービスは、有償です。ですから、ただ同然で流通しているLinuxをはじめとするオープンソースを企業向けにべらぼうな価格で売りつけるわけではありません。しかし、その製品を運用するために必要なサービスを有償で提供するのです。

 これは、逆にこれまで、コミュニティがボランティアとして行なってきたサポートや情報提供が、有償で用意されるもので、まさしくボランティアの価値を認める(価値ある情報をボランティアとして提供している)形となります。

 期待が膨らむのですが、一方で不安もあります。一部の方から「先頭を走るなら恥ずかしい真似はできませんよね」と耳打ちされました。やはり、最初に提供するSIビジネス向けディストリビューションなので、Linuxに対する期待を減退させるようなクオリティでないことを願って製品出荷を待っています。

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