ノキアは敗退したのではなく、日本を見捨てたのだ
昨年末の大きなニュースと言えば景気問題が挙げられるが、筆者にとって衝撃だったのはノキア社の日本市場からの撤退発表だった。多くの、未だiモード派系の国内ケータイユーザーにとっては、すぐには何の影響もない些細な出来事かもしれないが……。
ノキア社が強敵の多い日本市場の戦いで疲労困憊して逃げ出したのなら、日本人としては喜ぶべきことだ。しかし実際は、道具として成人度が低く、そしていつまでも成長のない小さな「子供の国」であり、たった1億台しか市場規模のない辺境の小国を「見捨てた」に過ぎない。
今後ノキア社にとって、日本は携帯電話本体の販売マーケットではなく、液晶やスイッチ、パッケージ技術等、携帯電話部品の優秀な一提供国として位置付けられるのだろう。
そんなノキア社の日本撤退を記念して、以前から欲しかった「E90 Communicator」というSymbianベースのスマートフォンを末広町の「モバイルプラザ」で購入した。
その昔、ヴァル・キルマーがハイテク装備を駆使する現代の怪盗を演じた「セイント」という映画があった。劇中で、主役以上に何度もスクリーンに登場するメールケータイがあったが、Nokia E90はその末裔ともえいる端末だ。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである。

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