米国時間9月5日、「Firefox 3.1 アルファ2」(開発 コード名:Shiretoko)が開発者/テスター向けにリリースされた(Mozilla developer centerの 該当記事)。“速い速い”と予告されていた(関連記事 )新しいJavaScriptエンジン「TracMonkey」は今回の アルファ2には実装されなかったが、レンダリングエンジンのGeckoが 「Gecko 1.9.1」にアップグレードされた。
Gecko 1.9.1は、W3C(World Wide Web Consortium)が公開草案を出しているHTML 5への対応を強化しており、動画再生を可能にする<video>タグをサポートした。<video>タグは、Flashなどのメディアプレーヤープラグインを使わず、ブラウザーだけで動画ファイルを直接再生する機能(関連記事)。これまで動画をHTMLに埋め込むには、<object>タグや<embeded>タグを使い、いくつものパラメーターを指定しなければならなかった。しかも、ユーザー側のプラグインを気にしてファイル形式を選ぶ必要があったが、<video>タグを使うと、画像を<img>タグで表示するように、動画を簡単にHTML中に埋め込める。
<video>タグについては、すでに「Safari 3.1」が対応しており、Safari 3.1と同じレンダリングエンジン「Webkit」を採用する「Google Chrome」や、「Opera 9.5」も対応している。
さらにGecko 1.9.1では、CSSの対応プロパティが増えた。新たにサポートされたのは、CSS2.1の「::before」「::after」「white-space:pre-line」、 CSS3の「-moz- border-image」「word-wrap: break-word」「text-shadow」「box-shadow」「column-rule」など。
JavaScriptのスピードアップにばかり目が行きがちな次世代ブラウザー戦争だが、Webサイトの表現の幅を広げるHTML 5やCSS3の動向もチェックしておきたい。