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家財保険の加入もケータイでOK――富士火災、賃貸入居者向けの新サービス

2008年01月29日 22時18分更新

文● アスキービジネス編集部

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富士火災海上保険は、1月29日、賃貸入居者向け家財保険の加入手続きを携帯電話から行なえる新サービスを発表した。2月1日から開始する。同社によると携帯電話による家財保険加入は「業界初」という。


代理店業務の効率化を実現、加入者のメリットも


家財保険の加入もケータイ でOK――富士火災、賃貸入居者向けの...

「らくトクねっと-Plus」の画面例(プラン選択の画面)

家財保険の加入もケータイ でOK――富士火災、賃貸入居者向けの...

「らくトクねっと-Plus」による保険加入の流れ。左下の枠で囲まれたところが加入者が操作する内容

 富士火災海上保険は、2007年8月からパソコン上でインターネットを利用して家財保険「ライフパートナーα」へ加入できる「らくトクねっと」を賃貸入居者向けに提供している。2月1日に開始するのは、同サービスを携帯電話に対応させた「らくトクねっと-Plus」。

 新サービスを利用した家財保険への加入手続きはこうだ。まず、賃貸物件の入居者(保険加入者)が不動産業者(代理店)で契約を結ぶ際、同時に「インターネット利用同意書」に署名する。代理店は、加入者の氏名や物件などの情報を富士火災のWebサーバに登録するとともに、加入者に対して商品内容や重要事項説明書をまとめた冊子を渡す。加入者は冊子の内容を確認した上で、QRコードを携帯電話で読み取り、専用サイトにログイン。プランや支払い方法を選択し、契約を完了させる。支払いはコンビニエンスストアかクレジットカード決済で行なう。

家財保険の加入もケータイ でOK――富士火災、賃貸入居者向けの...

火災保険部企画グループの西牟田真弓氏。氏が手にしているのが、加入者が受け取る冊子「スタートガイド」

 富士火災がこうした新サービス開始に乗り出したのは、加入者/代理店/富士火災の3者それぞれにメリットが大きいと判断したため。

 損保業界では、昨年4月にスタートした契約内容確認の義務化などを背景に、契約時の対面説明にかかる時間が長くなる傾向があり、代理店の負担が増加している。新サービスでは対面による事前説明を省略できるため、代理店の業務効率化が図れるという。

 一方、加入者は、同サービスを利用することで、時間や場所を問わず加入手続きができるメリットがある。「たとえば、地方から上京して賃貸物件を契約する際、滞在時間が短くても、帰りの新幹線の中で携帯電話があれば手続きが可能」(火災保険部企画グループの西牟田真弓氏)。

 富士火災は、新サービスと並行して進める加入手続きのオンライン化と併せ、データ入力や書類回収の手間を減らす狙い。年間150万枚の紙文書の削減、16%程度のコスト圧縮が見込まれるという。同社では、新サービスで手続きした加入者に対しては保険料を10%割り引くなどの優遇処置を設け、利用を促す考え。2008年度、全体の3割程度にあたる13万件・15億円以上を、らくトクねっと(PC版/携帯電話版の合算)経由で獲得する計画である。

 火災保険本部 本部長の坂本圭司氏は、「すべての保険で同様のシステムが利用できるわけではないが、他分野でもITをうまく使ったサービスを考えていきたい」と話している。

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