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やたらとチャンネルを変えたくなる!?

【動画レビュー】萌えだけじゃないんだからっ! ワンセグテレビ「SEGNITY」

2007年10月20日 12時00分更新

文● 伊藤裕也

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ツンからデレにステップアップしていく
ツンデレボイスナビゲーション


 SEGNITYには、ごく普通のポータブルテレビとして動作するモードのほかに、「VOICE」と呼ばれるモードがある。これを有効にすると、チャンネルや音量の変更、映像の表示・非表示の切り替えといった動作を行なった際に、その操作に対応する音声をSEGNITYが発するようになる。

 標準で用意される音声は某有名人気声優さんによるもので、パターンは「ツン」「ツンデレ」「デレ」の3パターン。これらがどのように異なるかというと、例えばチャンネルを変更すると「ツン」なら「ちょっとお、見てるんだから勝手に変えないでよね」、「ツンデレ」だと「あ、あなたのためにチャンネル変えるんじゃないんだから」、「デレ」であれば「チャンネル、変えるね」という具合に応答する。

 それぞれのパターンの傾向としては、ツンはユーザーに対して比較的興味のない素振り、ツンデレは興味があるものの素直になれない、あるいはやや高圧的な素振り、デレはデレデレといった振る舞いとなるようだ。この3つのパターンはユーザーの好みによる指定はできず、初期設定では「ツン」に固定されている。これがSEGNITYの使用時間に応じて「ツン」→「ツンデレ」→「デレ」とステップアップ――と表現していいのか迷う部分はあるものの変化していく。逆に長時間放置しているとデレ状態であってもツンへと戻ってしまう。いつまでも興味のない態度だと、SEGNITYからそっぽを向かれてしまうわけだ。

 とまあ、このようにまったくナビゲーション(ヘルプ機能)にはなってないのだが、遊びの要素として面白い機能ではある。ただ、確かに着眼点はいいのだが、最初にツンで興味なさそう・面倒くさそうにしていた態度が、デレのパターンに変わった途端に全力でデレデレになってしまうあたりが、使っていて「あれ? 君ってそんなキャラだったっけ?」という違和感を少なからず覚えた。

 また、中にはツンデレ状態の「近づきたいけど近づけない的態度」に心引かれる人も数多くいるのではないかと思われるが、ツンデレ→デレのパターンが変わるまでの時間が結構短いためにツンデレでの固定は難しく、そうした要望に応じにくいのが何とも惜しい。ツンデレファンに応えるためには、さらなる練りこみが必要と言えるだろう。SEGNITYでは拡張カードによる機能拡張(主にボイスと後述の切り替え壁紙の追加)に対応しているので、可能であればそうしたアルゴリズムの調整にも期待したい。

VOICEモードでチャンネルを変更すると、映像の表示が開始されるまでこのような壁紙がランダムで表示される

 なお、このVOICEモードではボイスナビゲーションのほか、チャンネル変更時に壁紙を表示する機能がある。ワンセグ受信機では一般に、チャンネルを指定してから映像を出すまでに数秒(実測で4秒程度かそれ以上)の時間を要するため、多くのワンセグ受信機では「現在受信中」を示すアイコンが表示される。SEGNITYも通常モードでは同様のアイコンが表示されるのだが、VOICEモードではアイコンのかわりにイラストレーターの加茂さんによる、萌えるイラストがランダムで表示される。むろん、ワンセグ画面が表示されるまでのタイムラグに変わりはないのだが、映像が表示されるだけでこの待ち時間が気持ち短くなったようにすら感じられる(むしろ「消えないで?」)から不思議だ。これも面白い演出と言えよう。



ワンセグ画面

ワンセグを受信している画面。ご覧のように、ホワイトボードに書かれた文字のような細かい情報までしっかり確認できるようになっている

 価格はオープンプライスで、実売価格は1万3000円前後。テレビの機能は視聴のための最低限しかないため、ワンセグ対応のポータブルテレビとして競合する「多機能型携帯プレーヤー」や「携帯電話機」と、単純に性能や価格などで比較するのはハッキリいって厳しい。しかし、コンパクトで持ち運びに便利で、電源も乾電池対応のため非常時にも使用可能で、実用性はかなり高いと感じた。価格も現在販売されている単体で使用できるワンセグ対応テレビとしては最も安価なので、普通のワンセグテレビとしてもその魅力は大いにある。なるべく低価格なワンセグ対応テレビを探している人にオススメできる製品だ。

 さらに、あの声優さん(動画を見れば分かる人には確実に分かる)のファンや面白いガジェットが好きな人にも、もちろんオススメしたい。当然、店頭や友人には「別にこの声だからって買うわけじゃない、安いから買うんだから。そこんところ勘違いしないでよね!」などと言い訳しつつ、入手してみてはいかがだろうか。


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