このページの本文へ

「Linuxのエンタープライズ活用を進めていく」

日本オラクルが「Unbreakable Linux」を国内展開、サービス開始は9月から

2007年08月30日 19時49分更新

文● アスキービジネス編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本オラクルは、Linux OSのサポートプログラム「Oracle Unbreakable Linux」を9月1日から開始する。同時に、研修や認定資格などの教育サービス、カーネルの品質向上を目的としたサポートセンターを開設するなど、Linux関連事業を拡大する。8月30日、パートナー企業とともに東京都内で会見し、明らかにした。


教育プログラム拡充やノウハウ公開など、Linux事業強化へ


日本オラクルが「Unbreakable Linux」を国内展...

米オラクル Linuxエンジニアリング担当バイスプレジデントのウィム・コーカーツ氏

「Linuxベンダーからは真のエンタープライズ・サポートは得られない」。米オラクル Linuxエンジニアリング担当バイスプレジデントのウィム・コーカーツ氏は、バグ修正が将来のバージョンにしか反映されないこと、リリース間隔が長いこと、サポート料金が高額であること、知的財産リスクへの補償がないことなどを根拠に、こう強調する。

 日本オラクルは、Linux OSのサポートプログラム「Oracle Unbreakable Linux」を9月1日から開始する。これは、Linuxカーネルの不具合を解消した修正パッチの提供や、24時間365日の技術サポートなどを行なうサービスで、昨年10月に米オラクルが発表していたもの(関連記事)。

 サービスメニューは、パッチの提供を行なう「Enterprise Linux Network Support」、問い合わせに24時間365日対応する「Enterprise Linux Basic Support」、バックポートの修正などを含む「Enterprise Linux Premier Support」の3つ。サポート対象OSは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)で、RHELを利用していない場合は、RHEL互換のLinux OS「Oracle Enterprise Linux for x86/x86-64」をオラクルが提供する。同OSはRHELの最新版と同期し、互換性を保証する。ただし、「Unbreakable Linuxはあくまでもサポート・プログラムであり、オラクルが(オリジナルの)ディストリビューションを提供するわけではない」(常務執行役員システム事業担当の保科 実氏)という。

 料金(2 CPUまでの場合)は、Network Supportが1万2400円/年から、Basic Supportが4万9900円/年から、Premier Supportが14万9900円/年から。提供はパートナー企業を通じて行なわれ、パートナーがUnbreakable Linuxを再販する「1st Line Support Model」と、パートナーが独自に提供するサポートメニューへの付加サービスとして提供する「Value Add Model」の2つの形態がある。パートナー企業は、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、デル、ミラクルリナックス、サイオステクノロジー、日立製作所、NECなど。

日本オラクルが「Unbreakable Linux」を国内展...

新サービスの提供で協力するパートナー企業と日本オラクルの幹部ら

 日本オラクルでは、新サービスの開始を機に、Linux OS関連事業を強化する。具体的には、パートナー企業と共同で、Linuxカーネルの品質向上を図るための「Enterprise Linux Joint Support Center」を年内にも開設。また、基礎/管理/データベース構築など、2~4日間の短期研修コースを10月から開講、認定資格「Oracle Expert Program:Managing Oracle Database on Linux Certified Expert」を新設するなど、技術者向けの教育プログラムを充実させる。

日本オラクルが「Unbreakable Linux」を国内展...

日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏

 このほか、Linux環境におけるシステム構築・運用のベストプラクティスや、ハードウェアベンダーと協力して事前検証した推奨システム構成を順次、公開していく。

 日本オラクルは、Linux事業を拡大する理由として、「Linuxの活用領域が増えてきていること」を挙げる。「当社のビジネス領域では、ここ2、3年でプラットフォームの20~30%がLinuxになるだろう。これは、LinuxがOSとしての確実な評価を受けているということ。セキュアでローコストなインフラだと確信を持って世に広めていきたい」(代表取締役社長の新宅正明氏)。

■関連サイト

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード