日本オラクルは7月5日、2007年5月期(2006年6月~2007年5月)の決算を発表した。売上高は初めて1000億円を超え、売上・利益ともに過去最高を達成した。これを受けて6日、都内ではプレス向けの説明会を開き、新宅正明社長らが今後の方向性を語った。
過去最高を記録、ビジネスアプリケーションは大幅な伸び
日本オラクルが7月5日に発表した2007年5月期(2006年6月~2007年5月)の決算は、前期比10.1%増しとなる売上高1007億6700万円、営業利益は367億8100万円(前期比14.5%増)。売上・営業利益ともに2桁成長、過去最高を記録した。
部門別ではすべての部門で増収を達成。中でもビジネス・アプリケーション部門が好調で、前期比63%増の売上となった。また、ここ数年赤字が続いていた教育部門も黒字化した。
2008年5月期(2007年6月~2008年5月)の売上高は、今期の17.4%増となる1183億円、営業利益は8.7%増の395億円を見込んでいる。
買収製品の窓口も日本オラクルへ一本化
今期の取り組みとしては、日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)との関係強化が挙げられる。OISは、ピープルソフト買収以降にオラクルが取得したアプリケーション製品を国内で展開している企業。日本オラクルとOISはこれまで一部製品の販売に限って協業していたが、今期はこれを拡大し、OISの全製品の販売・サポート・教育・コンサルティングの窓口を日本オラクルに一本化する。
協業拡大に伴い、OISの各部門の従業員・計270名が日本オラクルに出向扱いとなる。併せて日本オラクルでは今期の新規採用を拡大し、「年度末には2900名~3000名体制のスケール感になる」(日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏)としている。
また、米オラクルが直近で買収したECM(Enterprise Content Management)ベンダーの米ステレントや、BI(Business Intelligence)ベンダーの米ハイペリオンの日本法人についてもOISとの統合が完了。7月からは日本オラクルでも製品の取り扱いを開始している。
オラクルは2010年に「マーケットシェア」「市場評価」「イメージ・ブランド」でナンバー1を目指すビジョンを掲げている。「グローバルで着実に達成に近づく中、日本においても総合力を高め、アプリケーション、ミドルウェアの領域でこれを達成していきたい」(新宅氏)。
中期的な取り組みについては、「パッケージとSaaSモデルとを組み合わせた“ハイブリッドモデル”を提供する」(日本オラクル執行役員事業戦略統括経営企画室長の吉川剛史氏)という。また、産業・業界別のソリューションを充実させるほか、特定分野に強みを持つパートナーとのエコシステム構築に努める方針である。