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インテル、PenrynサンプルやG33/P35 Express搭載マザーボードを披露

2007年04月11日 22時13分更新

文● 編集部 小西利明

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インテル(株)は11日、東京都内にて記者説明会を行ない、2007年後半投入予定の主力CPU“Penryn”(ペリン)や対応チップセットなどについての説明を行なった。

Penrynの動作サンプル

Penrynの動作サンプル。クアッドコア・12MBキャッシュの“Yorkfield”とデュアルコア・6MBキャッシュの“Wolfdale”らしいが、外見では見分けがつかなかった

説明会の冒頭で、同社代表取締役共同社長の吉田和正氏は2007年の動きについて、「2007年はインテルが引っ張る年」と宣言し、特に2007年後半投入予定の45nmプロセスで製造される新CPU“Penryn”と、2008年投入予定の“Nehalem”(ネハレム)に期待を示した。

インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏

Penrynのサンプルを掲げる、インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏

Penrynについては過去の記事でも紹介されているが、吉田氏はその利点として、45nmプロセスへの微細化による動作周波数の高速化とキャッシュメモリー容量の拡大(デュアルコア版の場合6MB)、SSE4命令の追加、リーク電流を大幅に減少した45nmプロセスによる消費電力低減などを挙げた。キャッシュメモリーの拡大などにより、トランジスター数は現行Core 2 Duoの2億9000万個から4億1000万個(クアッドコア版は2倍の8億2000万個)に増大しているが、吉田氏は「10億(トランジスター)でも電力効率がいい」と述べて、新しい45nm世代の製造技術に強い自信を示した。

Penrynの概要

Penrynの概要

Nehalemの概要

Nehalemの概要

2008年に登場するNehalemについては簡単に触れられたのみであった。吉田氏は搭載コア数や内蔵メモリーコントローラーなどを、市場セグメントに合わせて最適化したCPUを投入できる点を利点として挙げている。

また無線通信技術のWiMAXや、吉本興業(株)などと共同で取り組んでいる、携帯電話機を利用した有料コンテンツ配信技術“NFRM”(Near Field Rights Management)など、CPU以外の分野の取り組みについても簡単に触れられた。

“3”シリーズチップセットの概要も説明

吉田氏の後を受けて登壇した、同社マーケティング本部長の阿部剛士氏のプレゼンテーションでは、Penrynと同時に登場する次世代チップセット“インテル 3”シリーズについての説明に注目が集まった。

“インテル 3”シリーズの概要

“インテル 3”シリーズの概要。パフォーマンス向上のための強化が多数盛り込まれている

3シリーズのチップセットは、コアゲーマー向けなどエクストリームセグメントの“X38 Express”を筆頭に、グラフィックス機能を内蔵する“G31/33/35 Experss”、グラフィックス機能を持たない“P35 Express”、vProテクノロジー対応ビジネスパソコン向けの“Q33/35 Express”などの名が挙げられた。主な特徴としては45nm世代のCPUに対応するほか、最大1333MHzシステムバス対応、DDR3メモリー対応、DirectX 10対応のグラフィックス機能などが挙げられている。現在のG965/P965 Expressチップセットに比べて、ほとんどの機能が強化されることになる。

P35 Expressチップセットを搭載するマザーボードのサンプル

P35 Expressチップセットを搭載するマザーボードのサンプル。ほぼ製品に近いものらしい

G33 Expressチップセットを搭載するマザーボードのサンプル

グラフィックス内蔵型のG33 Expressチップセットを搭載するマザーボードのサンプル。こちらはエンジニアリングサンプルらしい

また、2007年第2四半期に登場すると見られるノートパソコン用プラットフォーム“Santa Rosa”で導入される、フラッシュメモリーモジュールを利用した低消費電力化/HDD高速化システム“インテル ターボ・メモリー”にも対応するという。

Santa Rosaでサポートされる次世代無線LANモジュール(左)と、内蔵用フラッシュメモリー“インテル ターボ・メモリー”モジュールのサンプル

Santa Rosaでサポートされる次世代無線LANモジュール(左)と、内蔵用フラッシュメモリー“インテル ターボ・メモリー”モジュールのサンプル。ターボ・メモリーはモジュール型だけでなく、マザーボード直付け用途向けにフラッシュメモリーチップとコントローラーを提供する構成もある

最新クアッドコアCPUとVistaに対応した
ソフトウェア開発ツール群も発表

また、同日インテルはソフトウェア開発者向けの開発支援ツール『インテル VTune パフォーマンス・アナライザー 9.0』など、4種類のソフトウェアを発表した。

いずれもマルチタスク・ソフトウェア開発の際に、パフォーマンス最適化や円滑な並列処理実現などを支援するツールである。新製品では、Core 2 Quad Q6600-2.40GHzやCore 2 Extreme QX6800-2.93GHzなどの最新クアッドコアCPUへのサポートが強化されたほか、Windows Vistaへの対応が図られている。

各製品の価格と対応OSは以下のとおり。なお、販売はエクセルソフト(株)より行なわれる。

インテル VTune パフォーマンス・アナライザー 9.0
Windows Vista/XP Professional(32bit/64bit版)、Windows Server 2003(32bit/64bit版)、Longhorn Server August 2006 CTP、Linux|価格:10万9725円
インテル スレッディング・ビルディング・ブロック 1.1
Windows Vista/XP Professional(32bit/64bit版)、Windows Server 2003(32bit/64bit版)、Linux、Mac OS X 10.4.4以降|価格:4万5360円
インテル スレッド・チェッカー 3.1
Windows Vista/XP Professional(32bit/64bit版)、Windows Server 2003(32bit/64bit版)、Linux(コマンドライン版のみ)|価格:15万1725円(Windows版)、7万5915円(Linux版)
インテル スレッド・プロファイラー 3.1
Windows Vista/XP Professional(32bit/64bit版)、Windows Server 2003(32bit/64bit版)|価格:4万5570円

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