(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは3日、米国のDoCoMo Communications Laboratories USA社と共同で、従来技術と同程度の情報処理量で高音質の通話を実現する携帯電話向けの音声符号化技術を開発したと発表した。
開発された音声符号化技術は、符号化する周波数帯域を拡大し、従来は300Hzから3.4kHzまでの音声だったものを、50Hzから16kHzの音声へと拡大している。この結果、会話が成り立つ程度の音声から、臨場感あふれる肉声に近い音声の伝送に対応したという。実用化されれば携帯電話機をほとんど意識させないリアルな会話などを実現できるとしている。
また、「大きい音量では誤差を感じにくい」という人間の聴覚特性にもとづいて、大音量の周波数は符号化精度を最低限にとどめ、小さい音量の周波数はきめ細かく符号化するなど、符号化精度を調整することで、音質を向上させながら符号化処理の効率化も実現しているという。
なお、この符号化技術は今月4日よりパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催される無線技術・研究開発の専門イベント“ワイヤレス・テクノロジー・パーク2007”において、HTC Nippon(株)製のスマートフォン“hTc Z”でこの技術を使った音声通話システムを展示するという。
