XP Homeのサポートが2014年まで延長――マイクロソフト、Windows XP Home Editionのサポート提供期間延長を発表
2007年01月25日 00時00分更新
マイクロソフト(株)は25日、Windows XPのコンシューマー向け製品『Windows XP Home Edition』(以下XP Home)『Windows XP Media Center Edition』(以下XP MCE)のサポート提供期間を、2014年4月まで提供することを決定したと発表した。この決定は全世界のXP Home/MCEに適用される。セキュリティーに関する修正プログラム(通称ホットフィックス)は、この期間は無償で提供され続ける。
Windowsにおけるサポートには、“メインストリームサポート”と“延長サポート”の2種類があり、それぞれで提供されるサポートの内容が異なる。たとえば無償の電話によるサポートは、メインストリームサポート期間は提供されるが、延長サポート期間には提供されない。一方で無償のセキュリティー更新プログラムや有償サポートは、延長サポート期間でも提供される。サポート期間延長の対象となるエディションは以下のとおり。
- Windows XP Home Edition Service Pack2(SP2)
- Windows XP Media Center Edition 2002 SP2
- Windows XP Media Center Edition 2004 SP2
- Windows XP Media Center Edition 2005 SP2
Windows XPはどのエディションであっても、メインストリームサポート期間は2009年4月14日までとなっている。これは“Windows Vistaの発売後2年間”という基準で設定されている。しかし延長サポートについてはエディションによって扱いが異なっていた。Windows XP Professional(以下XP Pro)とWindows XP Tablet PC Editionは“メインストリームサポート終了後、最短5年”となっているのに対し、XP Home/MCEはメインストリームサポートのみで、延長サポートは予定されていなかった。そのため2009年4月以降はセキュリティー更新プログラムの無償提供がなくなり、それによってあたかも「サポート終了後のWindows XPは、ウイルスに対して無防備になる」といった、あいまいな理解と誤解に基づいた憶測や報道が飛び交う状況も招いていた。
同社のプレスリリースでは、XP Homeのユーザー数が非常に多い日本市場では、XP Homeのサポート期間延長を求める声が高まっていたとしている。それを受けて同社では、XP Home/MCEに対しても、XP Proと同様に2014年4月まで延長サポートを提供することを決定したという。
同日、東京都内の同社本社にて開かれた記者説明会では、同社Windows本部長のジェイ・ジェイミソン(Jay Jamison)氏らにより、サポート提供期間延長に関する説明が行なわれた。ジェイミソン氏はこのサポート期間延長の趣旨を、「同社はコンシューマーのセキュリティーを大切に考えており、また顧客のフィードバックに関わって取り組んできた。(今回の発表によって)この2つを深く重要視していることを示す」と述べて、同社のセキュリティーに対する取り組みの一環であるとした。また最近になってXP Home/MCE搭載パソコンを買ったコンシューマーが、サポート期間の短さによって不安を感じることがないようにとの対策であるとも述べた。
前述のとおり、サポート延長の対象になるのは、いずれもSP2を適用したXP Home/MCEである。これはSP2を適用したWindows XPがXPの最新版であり、セキュリティー面で大きく強化されているためという同社の見解のためである。仮に今後“Service Pack3”が提供された場合、SP3適用済みのWindows XPが最新版となる。その場合はSP3への移行期間の猶予として、12ヵ月間はSP2適用のWindows XPもサポート対象となる。ただしSP3が提供されたとしても、Windows XP全体でのサポート期間は変化しない。なおSP3については、“提供する場合は2008年前半に提供”との見解が示された。