自作PCパーツの最新情報といえば、1月開催のCES、6月開催のCOMPUTEX TAIPEIがやはり注目だが、毎日のように新しい製品が発売され、さまざまな注目製品が登場している。
昨年の主要パーツを少し振り返ってみても、第3世代Ryzen、PCIe 4.0対応SSD、GeForce RTX 20 SUPERシリーズ、Wi-Fi 6対応あたりは、話題となったトピックといえるだろう。
ちょっと変わったところだと、長尾製作所のビデオカードを飾るためのスタンド「NB-VGA-DP01」のように、PCパーツ単体を鑑賞するための製品まで登場。直接PCには関係しないものの、思わず買ってしまったという自作PCファンも少なくない。
2020年にどんな製品が登場し、どんなジャンルが注目されるのかは分からないことのほうが多いが、今から楽しみなのは誰しも同じ。そんな自作PCパーツについて、確実に発売されるだろうモノから妄想まで、トレンドや製品を予想してみた。
CPU
高性能モデルでは8コア16スレッドがメインに!
ミドル~ローエンドの争いにも注目
2019年も前年に続き、インテルとAMDの争いから目が離せない年だった。特にZen 2アーキテクチャーの第3世代Ryzenで、IPC(Instruction Per Cycle、1サイクル当たりの処理命令数)が大きく引き上げられ、シングルスレッド処理においてもライバルのインテルに肉薄。インテルが得意としていたゲーミング環境においても追いついてきたというのは、インパクトが強かった。
さらにいえば、メインストリーム最強となる16コア32スレッドの「Ryzen 9 3950X」、ハイエンド・エンスージアスト向けとなる32コア64スレッドの「Ryzen Threadripper 3970X」まで登場し、メニーコアCPUにおいては、ライバル不在の独走状態といっても過言ではなくなってきている。
さて2020年だが、インテルの注目はようやくデスクトップでも開発コード“Comet Lake”こと第10世代Coreプロセッサーが登場することにある。製造プロセスは14nm世代となるものの、Core i9の最大コア数が8コアから10コアへと引き上げられるようだ。
Core i7/i5/i3ではコア数こそ変化しないものの、それぞれハイパースレッディング(HT)が有効化されるというウワサがある。HTの効果はソフトによっても大きく変わるが、単純なベンチマークソフトの比較で1.3~1.5倍くらいに相当するため、かなりの性能底上げが期待できる。
現在入手可能な第9世代Coreプロセッサー | ||||
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モデルナンバー | ベースクロック | コア数 | スレッド数 | 内蔵GPU |
Core i9-9900KS | 4GHz | 8コア | 16スレッド | 搭載 |
Core i9-9900K | 3.6GHz | 8コア | 16スレッド | 搭載 |
Core i9-9900KF | 3.6GHz | 8コア | 16スレッド | 非搭載 |
Core i9-9900 | 3.1GHz | 8コア | 16スレッド | 搭載 |
Core i7-9700K | 3.6GHz | 8コア | 8スレッド | 搭載 |
Core i7-9700KF | 3.6GHz | 8コア | 8スレッド | 非搭載 |
Core i7-9700 | 3GHz | 8コア | 8スレッド | 搭載 |
Core i7-9700F | 3GHz | 8コア | 8スレッド | 非搭載 |
Core i5-9600K | 3.7GHz | 6コア | 6スレッド | 搭載 |
Core i5-9600KF | 3.7GHz | 6コア | 6スレッド | 非搭載 |
Core i5-9600 | 3.1GHz | 6コア | 6スレッド | 搭載 |
Core i5-9500 | 3GHz | 6コア | 6スレッド | 搭載 |
Core i5-9500F | 3GHz | 6コア | 6スレッド | 非搭載 |
Core i5-9400 | 2.9GHz | 6コア | 6スレッド | 搭載 |
Core i5-9400F | 2.9GHz | 6コア | 6スレッド | 非搭載 |
Core i3-9350KF | 4GHz | 4コア | 4スレッド | 非搭載 |
Core i3-9100 | 3.6GHz | 4コア | 4スレッド | 搭載 |
Core i3-9100F | 3.6GHz | 4コア | 4スレッド | 非搭載 |
具体的に言えば、第9世代のCore i7は8コア8スレッドとなるが、第10世代ではこれが8コア16スレッド……つまり、第9世代のCore i9相当へとスペックアップし、コア・スレッド数でRyzen 7と並ぶようになる。2020年の高性能CPUは、「8コア16スレッド」というのがある種のキーワードとなりそうだ。
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