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「ライブ配信メディア完全解剖 〜過去と今、そして未来へ〜」 第69回

niconicoはかつて撤退した動画サービスと同じ末路を辿っている

2017年11月30日 19時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda

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 niconico(く)を10月にサービス開始することを発表したのは4月17日「ニコニコ超会議2017発表会」のことでした。いま、改めてタイムシフトを振り返ってみても、その時、会場のニコファーレにいた人々だけでなく、その知らせを聞いたniconicoのユーザーの多くは、4年ぶりの新バージョンアップの知らせに「いまさら」と思ったものの、心のなかではなんとなく嬉しかったのがわかります。

 この日は「中身については今日はまだなにもお伝えできません」としたものの、「今回はniconicoを根本から作り直したので時間がかかった」「世界中のストリーミングサービスの中でも、まったく他にない斜め上の最先端な機能が次々と搭載される」(川上氏)と紹介しました。

 あれから半年の間、ユーザーは期待や不安、いろいろな想いで過ごしてきました。そして、先日、11月28日の「niconico(く)発表会」を迎えたものの、10月サービス開始予定だったniconico(く)は、当初の予定を過ぎ、今回、ようやく「2018年2月28日 サービス開始!全ユーザーに機能を開放」であることを発表しました。

 この発表について、発表会の様子をニコニコ生放送で見守ったniconicoのユーザーたち、ニコファーレへ集まった一般観覧者の反応については、もう、改めて触れるまでもないでしょう。4月のときのニコファーレでの歓喜とは全く異なった、正反対の冷ややかなものだったのです。それは「当初のスケジュールが延期された」ことに対するものというより、発表された「新しい新機能&サービス」に対するユーザーが求めている「コレじゃない」感のほうです。

 正直なところ、サービス開始予定だった10月に「11月にniconico(く)発表会」を実施することを発表したことで、うすうす誰もが「(発表会当日にいきなり)いまここでバージョンアップします!」とか「年内にバージョンアップします!」とはならない、さらに「年明けになるかも」ということは予想はできたでしょう(それでも、その予想を裏切る大どんでん返しをユーザーは期待していたのです)。従来の予定より開発が遅れるということは「往々にしてある」ことで、仕方がないことであると思うのです。

 そして、(4月に謳った)「画質&重さ 完全解決」が解決したとしても、結局は、動画共有サービス「YouTube」よりも超えられないことについても“仮に”妥協したとします。

 ただ、この日にドワンゴから提案された新しいインターフェイス「nicocas」の機能たちは(4月に予告した通りの)「さまざまな独自の最先端機能を搭載」したドキドキワクワクできる「未来のストリーミングサービス」の形なのか?をniconicoのユーザーたちへ問いたいのです(私自身の答えは「否」ですが……)。

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