この連載は江渡浩一郎、きゅんくん、坂巻匡彦が週替わりでそれぞれの領域について語っていく。今回は江渡浩一郎が、Storiesを中心にInstagramのアプリ設計の良さを解説する。
InstagramはStoriesのためにあったのかもしれない
Instagram(以下、インスタグラム)は、2016年8月に「Instagram Stories」(以下、ストーリーズ)と呼ばれる機能をリリースした。投稿した画像が24時間で自動的に消去されてしまうという機能だ。要するに、Snapchatと同じである。
当初はあまり興味を持っていなかった。一言でいえばSnapchatのパクリだからだ。消去されたい写真を投稿したいのなら、Snapchatを使えばいいだろうと。しかし、実際にリリースされたストーリーズを使ってみて、大きく印象が変わった。というよりも、むしろこれこそがインスタグラムが当初から目指していた機能ではないかと感じたくらいである。
さて、ストーリーズの説明の前に、簡単にインスタグラムのおさらいをしておこう。インスタグラムは2010年10月6日に登場した。当初は、単に撮影した写真にフィルターをかけてTwitterやFacebookに投稿するアプリと思われていた。ただ、初めからインスタグラム独自のユーザーベースとネットワーク関係があり、独立したSNSでもあった。とはいえその時点ではTwitterやFacebookが支配的な存在と見られていたために、単に従属した存在と思われており、別のSNSとして成功する可能性があるとはまったく思われていなかったのである。
だが、その後の大成功はすでに多くの人が知るところだ。

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