かつて、アスキー(現KADOKAWA)のゲーム誌「ログイン」や「週刊ファミ通」などで忍者編集者としておなじみだった、現フリーライターの忍者増田が、1980~1990年代のPCゲームや編集者時代の思い出を振り返り、紹介していくというコーナー。ASCII.jp、ASCII倶楽部の読者なら、なつかしい話題が満載のこと間違いなしなのだ!
こんにちは。堀井雄二氏作のアドベンチャーゲームでは『軽井沢誘拐案内』(1985年発売)が一番好きな忍者増田でござる。
というわけで今回は、アドベンチャーゲームについて書いてみようと思います。
実は、拙者がパソコン欲しいなーと思った最初の理由は、ずばり“アドベンチャーゲーム”がやりたかったから!
拙者が中学生のころ、コロコロコミックにパソコンのアドベンチャーゲームを紹介する、すがやみつる氏の漫画が掲載されたことがありました。たしか『ゲームセンターあらし』の主人公あらしと友人さとるがゲームを紹介する特別短編で、マイクロキャビンの『ミステリーハウス』が紹介されていた気がしますが、ちとうろ覚えです。
当時アクションゲームしか知らなかった拙者は、この漫画でアドベンチャーゲームの存在を知り、衝撃を受けました。“OPEN DOOR”のように動詞と名詞でコマンドを打ち込んで行動し、様々な謎を解いていく……。パソコンにはこんな得体の知れないゲームがあるのかと驚き、ムチャクチャやってみたくなったのです。
前回、NECのPC-8801mkⅡを購入した話を書きましたが、パソコンを買うことが前もって決まっていた拙者は、実は先に何本かゲームソフトを購入していました。
その中に、『タイムシークレット』(1984年発売)というアドベンチャーゲームがあったのですが、これが大アタリの大秀作!
(写真協力:80mk2会、音無欒氏 @Madoka___)
『タイムシークレット』のストーリーを簡単に説明すると、時はタイムマシンが開発された西暦2552年、プレイヤーはタイムマシンの試作機に乗り込み、とある星を救出するための武器を手に入れるべく、様々な時代を冒険するというもの。
タイムマシンを使ってのSF冒険劇は当時の拙者にはとても新鮮で、いろんな時代に到着するたび、「この時代にはどんな謎があるんだろう?」と胸が高鳴りました。そういった、アドベンチャーゲームとしてのストーリー展開もさることながら、対応する単語も多いし、描画も速い。それでも描画時間が待てないという人のために、白黒モードも用意されているという親切さ。プレイして30分もしないうちに、このゲームが大アタリであることがわかりました。
COPYRIGHT BY PASCALII
(C)1984 BOND SOFT
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