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温暖化が温暖化を呼ぶ、気候モデルに織り込まれない「隠れた排出」

2026年11月06日 16時55分更新

文● James Temple

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永久凍土の融解や山火事の激甚化など、温暖化そのものが引き起こす排出だけで、今世紀中に世界の気温が0.2〜0.4℃上乗せされる可能性がある。だが国連の主要な気候報告書のモデルは、こうした効果を十分に織り込んでいない。

気候変動そのものが、気候変動を加速させる要因となりつつある。温室効果ガスの濃度上昇は、世界の気温を押し上げ、危険なフィードバック・ループを引き起こしているが、これは気候モデルにも排出削減目標にも十分に織り込まれていない。

温暖化がさまざまな形でさらなる温暖化を促進するだろうと科学者らは長年警告してきた。このカスケード効果がどれほど強力になりうるかについて、ようやく観測とそれに基づく研究が増え、より鮮明な理解が得られつつある。そしてそれは同時に、今世紀中に地球がこれまでの想定よりどれほど速く温暖化しうるかを示すものでもある。

9月に学術誌『環境研究レター(Environmental Research Letters)』に掲載された、過去の論文の結果を統合した研究によると、永久凍土の融解、山火事の激甚化、湖沼や貯水池の温暖化、そしてより湿潤で温暖化した湿地から追加的に放出される二酸化炭素とメタンだけで、今世紀中に世界の平均気温を0.2℃から0.4℃押し上げる可能性があるという。これは、モデル作成者たちがすでに2100年までに予測している、産業革命前の水準からの2.6℃の温暖化に上乗せされる形となる。この追加的な温暖化により、世界の多くの都市が数カ月に及ぶ熱波にさらされ、数億人が洪水の危険にさらされる可能性がある。

さまざまな排出シナリオの下で地球がどの程度温暖化するかを評価する国連の主要な気候報告書に用いられるモデルのうち、これらのフィードバック効果をすべて織り込んだものは1つもない。その多くは、どの効果も一切組み込んでいない。そのため、今後数十年間に世界が実際にどの程度温暖化しうるか、また重大な境界線内にとどまるために各国がどれほど急速に排出量を削減する必要があるかについて、私たちの理解には大きな死角が残されている。

一方、3月に学術誌『ワン・アース(One Earth)』に掲載された別の分析は、このフィードバック問題が国際的な気候目標にとって何を意味するかを検証し、世界は広く信じられているよりもはるかに目標から外れている可能性があると結論づけた。永久凍土の融解、北方林における山火事の増加、熱帯湿地の温暖化という3つの地域的な温暖化がもたらす排出源だけで、地球が1.5℃および2℃の温暖化しきい値を恒常的に超えるまでの時間を最大25%短縮しうることが明らかになったのだ。

私たちの気候モデルや国連の報告書は、こうした効果をより適切に反映するために明らかに更新される必要がある。また各国も、私たちが直面している危険についてのこの理解の深化を反映させるべく、排出削減の取り組みを強化しなければならないと、同論文の筆頭著者でサンフランシスコを拠点とする非営利研究団体スパーク・クライメート・ソリューションズ(Spark Climate Solutions)の気候科学者であるサム・アバネシーは述べる。

少なくとも取り組みの一部はすでに始まっている。スパークは「温暖化駆動型温室効果ガス排出モデル相互比較プロジェクト(Warming-Induced Greenhouse Gas Emissions Model Intercomparison Project)」を立ち上げた。これを通じて、20以上の国際チームが異なるモデルを用いて同じ一連の分析を実施し、フィードバック効果が持ちうる影響力についての理解を深めようとしている。関係する研究者らは、2029年に公表予定の国連の次期主要気候評価報告書にこの結果が組み込まれることを期待している。世界が重要な気温のしきい値を超えるまでに、あとどれだけ排出できるか(残りの炭素収支)の推定値が更新される予定だ。

しかしすでに明らかなのは、地球が急速に温暖化しているということ、そして化石燃料による汚染の削減に向けた各国の取り組みが、到底十分とはいえないことだ。そして、たとえ私たちがそれを食い止められたとしても、温暖化がもたらす排出は続く可能性がある。

そこで、こうした最近の研究に関わったいくつかの研究グループが、フィードバックによる排出を制御するために各国が何をできるかを模索し始めている。例えば、マサチューセッツ州のウッドウェル気候研究センター(Woodwell Climate Research Center)の科学者らは、特に炭素含有量の多い永久凍土の帯を断熱する役割を果たす植生や土壌を焼失させる恐れのある火災を未然に防いだり、迅速に検知して消火したりする可能性を研究している(この問題については最近の特集記事で詳しく取り上げた)。さらに、環境防衛基金(Environmental Defense Fund)の気候イノベーション・イニシアチブは、急速に増加するメタン排出を抑制するために湿地に硫酸塩や鉄などの化合物を加える可能性について研究室での研究を支援している。

複数のスタートアップもさまざまな可能性を模索している。高緯度地域でますます多くの火災を引き起こしている落雷の抑制、永久凍土の融解を防ぐための合成マットの設置、そして高排出につながりかねない火災が手に負えなくなる前に迅速に鎮圧する自律型ドローンの展開などが検討されている。

こうしたアイデアをすべて検証することには価値がある。しかし研究者らは、大規模な変容を遂げつつある広大な世界の生態系全体において、こうした取り組みが排出量にどれほどの削減効果をもたらしうるかを見極める、まだごく初期の段階にいるにすぎない。

温暖化が温暖化を呼ぶ影響を軽減する最も確実な道筋は、依然として私たちが以前から知っていた1つの方法に尽きる。それは、化石燃料への社会的依存を断ち切ることだ。

 

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