BPOグローバル大手が自社業務の“カスタマーゼロ”で培った「WorkHQ」の実力は?
日本企業の「AI業務実装の壁」を打ち破る ― RPAのパイオニアが「AI×RPA×人」の統合基盤を国内展開
2026年10月19日 07時30分更新
AIエージェント実装の3つの壁を解消する“WorkHQ”
WorkHQが、前述の3つの壁をどのように解消するかについては、Blue Prismの副社長である内田修氏が解説した。
まず、「AIと業務の壁」は、統制の効いたオーケストレーション層が、「人」「AIエージェント」「API」「RPA」という4つのリソースをつなぎ、適切に協調させることで解消する。ここでポイントとなるのが“統制”だ。かつての野良RPA同様に野良AIエージェントが発生するのを防ぎ、人の代わりに判断するAIエージェントを安心して業務の中核に据えることができる。
「システム間の壁」は、既存のRPAの活用を進展させ、「判断はAI、実行はRPA、例外は人」というワークフローを構築することで解決する。RPAは、API未実装の環境やファイアウォールの内側を含むあらゆるシステムを自動化でき、AIとは異なり決定論的に動くため、定型処理を任せやすくコストも予測しやすい。だからこそ、システムの壁を越えて業務をやりきる“実行役”として優れている。
「判断はAI、システム操作はRPAという組み合わせが、ほとんどの業務自動化における品質・コスト・スピードの最適解になる。さらに、判断をAIが担うことで、これまで自動化が難しかった業務にもRPAが適用できるようになる」(内田氏)
最後の「AI自身の壁」は、従来の内部統制に「AI固有のガバナンス」を重ね合わせることで、AIの揺れや暴走を解消する。具体的には、カスタマーゼロでの学びを基に「リスク分類」「自律性の階段」「モデルガバナンス」「人の介在の方針」「精度保証」「監査と追跡」「例外管理」というガバナンスの7要素を設計。これに「セキュリティ」と「コスト統制」を加え、「ガバナンス層」によって統制を効かせる。
こうした3つの壁を統合的に解消する基盤がWorkHQである。人とAIエージェント、API、RPAを統制の効いた単一基盤で統合し、適材適所でオーケストレーションする。さらに、豊富なコネクタ群により、構築済みのRPAはもちろん、利用中のLLMやAIエージェント、社内システム、クラウドサービスとも連携。既存資産を無駄にすることなく、自動化を段階的に拡張していくことが可能だ。
また、ガバナンスファーストな設計を徹底しており、監査証跡やバージョン管理、ロールベースのアクセス制御を備え、ヒューマンインザループも組み込める。アドオンである「AIゲートウェイ」では、多層ガードレールやトークンコストの可視化・上限制御にも対応する。
発表会では、「請求書処理」において自動化のワークフローを構築するデモンストレーションも披露された。APIでメールを自動取得し、AIエージェントがその内容を理解・判断。必要に応じてTeams通知経由で人が確認し、RPAがファイアウォール内の基幹システムに登録するといった流れだ。
パートナーと共に幅広い企業の業務変革を推進
WorkHQの日本語版は、2026年10月7日より提供開始された。ユーザーインターフェースに加え、各種ドキュメントやサポートも日本語で提供される。
ワークフローの実行回数や承認フローのユーザー数に応じて4種類の利用プランが用意される。最小規模の「Discover」では、ワークフロー実行は年間10万回・承認フローユーザー数は10名で、初年度の参考価格が年額708万4600円となる。国内での販売はパートナー企業21社経由となり、各社の伴走サービスに加え、Blue Prismによるプロフェッショナルサービスも提供される。
内田氏は、WorkHQが特に効果を発揮する領域として、膨大なデータを処理するバックオフィス領域を挙げる。SS&CやBlue Prismが強みを持つ金融業界にとどまらず、幅広い企業の業務改革を推進していく方針で、実際に先行導入する国内企業はいずれも金融以外の業種だという。
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