BPOグローバル大手が自社業務の“カスタマーゼロ”で培った「WorkHQ」の実力は?
日本企業の「AI業務実装の壁」を打ち破る ― RPAのパイオニアが「AI×RPA×人」の統合基盤を国内展開
2026年10月19日 07時30分更新
SS&C Blue Prism(以下、Blue Prism)は、2026年10月7日、業務自動化プラットフォーム「WorkHQ」の日本語版を提供開始した。これは、AIエージェントやRPA、人を適材適所でつなぎ、部分最適な自動化を全体最適へと発展させるための基盤である。
同基盤の特徴は、BPO事業で運用するミッションクリティカルな基幹インフラで培われた「実践知」を製品化している点だ。業務へのAI適用が進まない日本企業の課題を解決すべく、満を持して投入された。
発表会にてBlue Prismの社長である長谷太志氏は、「オーケストレーションと統制が揃ってこそ、AIエージェントによる業務改革は点の自動化から全体最適へ進み、ビジネス成果を生み出せる。WorkHQは、システムの壁を越えて業務を最後までやりきり、ROIへつなげるための基盤」と語った。
親会社のBPO事業における「カスタマーゼロ」で培ったAI・自動化
もともとBlue Prismは、RPAという言葉を生み出した業務自動化のパイオニア企業だ。かつて“野良RPA”の乱立が問題視されていた際も、統合管理型のRPAとして統制と安定稼働にこだわり、金融機関をはじめとする規制産業を中心に導入を広げてきた。そして2022年には、SS&C Technologies(以下、SS&C)グループの傘下に入った。
親会社であるSS&Cは、グローバルで2万3000社の顧客を抱える大手BPO企業だ。特に、セキュリティやガバナンス要件が厳格な金融・ヘルスケア業界に強みを持ち、600兆円規模の資産を預かる基幹インフラを本番運用している。
一方でSS&Cは、ソフトウェアを開発・提供するテクノロジー企業としての顔も持つ。自社開発のソフトウェアを上記のミッションクリティカルなインフラで運用し、そこで得られた実践知を再び製品に反映する――こうした、大規模な「カスタマーゼロ」の循環が同社の強みだ。こうして培われたAIエージェントや自動化のソリューションは、Blue Prismブランドとして外販されている。
このBlue Prismが日本語版を投入するのがWorkHQだ。長谷氏は、同基盤をAIエージェント時代の業務改革における「3つの壁」を打破するソリューションだと強調する。その壁とは、AIが個人利用にとどまり業務プロセスに組み込めていない「AIと業務の壁」、人が複数システム間のつなぎ役になっている「システム間の壁」、AIの確率的な性質とトークン問題で確実な成果につながらない「AI自身の壁」である。
特に長谷氏は、IPAの実態調査「DX動向」を引き合いに出し、AIの「個人での業務利用(63.3%)」と「業務プロセスへの組み込み(11.9%)」で大きなギャップがあること、この点で海外と比べて大きな遅れをとっていることを紹介した。
この3つの壁を自ら乗り越えているのが、他ならぬSS&C自身だ。同社では現在、3500以上のAIエージェントとRPAが本番稼働で動いており、年間で300億円以上のコスト削減を実現している。
実際の業務で成果を上げた事例が、「売買不一致の照合業務」のユースケースだ。人の判断をAIに置き換えたワークフロー構築で「AIと業務の壁」を、AIとRPAを組み合わせることで「システム間の壁」を越えた。さらに例外の判断は人が担い、全プロセスで監査トレースを残す仕組みで「AI自身の壁」も克服。これらにより、82分要していた作業時間を5分にまで大幅短縮している。
こうした壁を解消し、自動化を成果へと昇華させた基盤こそがWorkHQだ。
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