画像クレジット:Getty Images
MITテクノロジーレビューは毎年恒例の「注目すべき気候テック企業」を選ぶにあたって、研究成果や資金調達、導入実績といった実績を重視し、業界や地域、開発段階のバランスも考慮している。2026年のトピックの1つは、AIデータセンターなどによる電力需要の増加を背景に、エネルギー貯蔵に取り組む企業がいくつか選ばれたことだ。
『MITテクノロジーレビュー』のチームは毎年、「注目すべき気候テック企業」リストを掲載している。2026年版に掲載する企業を選定するのは、2023年にこのリストの作成を開始して以来、最も困難な作業となった。
2026年は観測史上最も暑い年の1つになる見込みだ。世界はすでに各地の地域社会に影響を及ぼしている気候危機に対処するため、温室効果ガス排出量の削減に着手しなければならない。山火事や洪水、その他の気候変動に起因する災害は、何千人もの命を奪い、数十億ドルの損害をもたらしている。その一方で、排出量削減の取り組みは、政治的な変化や国際紛争により、特に米国では進展が停滞している。
テクノロジーだけで気候変動を解決することはできない。しかし、現代における最も差し迫った課題の1つに取り組む中で、イノベーションが実質的な変化をもたらし、世界中の人々の生活を改善するのに役立つと私たちは考えている。
この企画では、気候危機への対応に役立つ可能性のある技術を開発している企業を探している。気候変動を助長する温室効果ガス排出量の削減に取り組む企業もあれば、温暖化する地球がもたらす極端な暑さや干ばつ、その他の変化によって地域社会が直面する危険の軽減に取り組む企業もある。研究成果であれ、調達した資金であれ、導入実績であれ、実績を確立している企業に焦点を当てている。
リストの作成にあたっては、まず記者や編集者のチームから候補の推薦を募ることから始める。専門家に提案を求め、学術関係者や研究者、投資家、アナリストにも連絡を取る。候補企業が集まったら、各社について文献や報告書、特許を調べ、技術とビジネスの両面を精査する。
各企業は単独の実績だけでなく、リスト全体にどう適合するかという観点からも評価する。最終的な企業の顔ぶれには、さまざまな業界を代表する企業が含まれ、世界各地を拠点とし、開発段階もさまざまな企業を含めたいと考えている。また、過去に選出された企業を再び取り上げることと、新しい名前を紹介することのバランスを取ることも目指している。最後に、その年の最も重要なトレンドや出来事のいくつかを考慮し、そうした動向を反映する候補を探す。
米国の連邦規制の解体と、イノベーションに対する政府の財政的インセンティブの削減により、同国はもはや気候テックのリーダーではなくなっている。2025年と同様、2026年版のリストは米国外を拠点とする企業が大半を占める。中国はエネルギーと気候にまたがる技術的イノベーションの明白なホットスポットだ。2026年のリストには2社の中国企業が含まれている。ウェリオン(WeLion)は電気自動車(EV)向けの半固体電池を開発しており、エンビジョン・エナジー(Envision Energy)は中国内外で大規模な風力発電とエネルギー貯蔵を展開している。
2026年は、特に重要ないくつかの分野が際立っていた。最大のニュースの1つは、人工知能(AI)データセンターがその一因となっている電力需要の増加だ。
エネルギー貯蔵は、この課題を解決する重要な要素だ。送電網が再生可能エネルギーをより多く取り込む中で、電力供給の変動を平滑化できるからである。2026年のリストには、複数のエネルギー貯蔵企業を含めた。エナジー・ドーム(Energy Dome)は、圧縮した二酸化炭素を利用した長時間エネルギー貯蔵システムを送電網向けに構築している。モーメント・エナジー(Moment Energy)は、EVバッテリーを送電網規模の貯蔵用に再利用するカナダの企業だ。そして2024年版にも選出したフォーム・エナジー(Form Energy)は、数日間にわたってエネルギーを貯蔵できる鉄ベース電池を製造している。
ここでは、移動式の洪水防壁から次世代原子炉まで、幅広い技術が紹介されている。選出企業の中には、過去の記事でおなじみの企業もあれば、まだ登場したばかりであまり知られていない企業もある。
私たちは、この瞬間の課題に立ち向かう企業で満たされたリストを作り上げることができたと考えている。気候変動がもたらす被害が増え続ける一方で、政治的な意志は弱まっている。こうした困難な時代において気候危機への取り組みを前進させる手助けをすることで、これらの企業はより良い未来への道筋を示している。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります








