サイボウズが語る“大企業のAI活用”における課題とその展望
大企業導入も順調なkintone AI時代の“市民開発×ガバナンス”基盤を目指す
2026年08月24日 11時30分更新
kintoneをAI時代の「市民開発×ガバナンス」の基盤に
最後に語られたのは、AI時代における大企業の課題とそれに伴う今後のkintoneのアプローチだ。
池田氏は、「AI時代においては、現場が主導しての業務改善、つまり市民開発が加速する」と指摘する。AIが技術的な障壁をさらに下げたことに加えて、IT人材不足も深刻化しているためだ。「情報システム部門による中央管理を前提としつつも、市民開発の推進は不可欠になる」というのが、大企業ユーザーとの対話の中で得た手ごたえだという。
実際に、同社が2025年10月に実施した「国内企業のアプリケーション開発」に関する調査レポートでも、企業の内製志向は78%に上る結果だった。
一方で、大企業のAI活用には課題も残る。池田氏が挙げたのが「データ」「組織と業務」「カルチャー」の3点だ。
まず「データ」面では、AIの性能がデータの質と量に左右されるため、社内データを集約・蓄積する「データプラットフォーム」をいかに整備できるかが、その成果を分けるポイントになっている。
「組織と業務」の面では、AIエージェントの本格化に伴い、構造そのもの再構築に迫られていくという。それは、組織構造や業務範囲が曖昧なままでは、組織横断で働くAIエージェントが適切な判断を下せないからだ。
「これからは、企業がAIを効果的に活用できる状態かどうかが問われ、テクノロジー面だけではなく、人やルールといった組織面の両輪で、“AIレディ”な状態を整える必要がある」(池田氏)
そして、組織とテクノロジーを上手く活かせるかは「カルチャー」にかかっている。「AIという新しい道具を用いた挑戦が評価される『制度』『風土』『組織文化』をつくり上げることが大企業に求められる」と強調した。
こうした大企業の課題を解決する存在となるのが、業務アプリケーションを構築できるデータプラットフォームとしてのkintoneだという。「国産という強みに加え、利用するだけでラベル付けされた構造化データが蓄積され、それをAI活用するというループを築ける」と池田氏。
その「kintone AI」も進化を続けている。大企業においては、誰でも簡単に業務改善に役立つAIを活用できる点に加え、安心して利用できる点が強みだ。管理者が機能のオン・オフや利用範囲を細やかに制御でき、ガバナンスを効かせながらAI活用を推進できる。
同社はこうした「AI時代の市民開発×ガバナンス」の基盤としての訴求を進め、2028年までにエンタープライズ企業の売上比率を3割以上にすることを目指している。そのために、導入企業数の拡大にとどまらず、既存の大企業ユーザーにおける大規模導入の比率も高めていく方針だ。
なおセミナーでは、現場のユーザーに最適化されたタブレットインターフェースを提供する「kintone Touch」を開発中であることや、年次の「Cybozu Days Japan(今年から名称にJapanを追加)」が、2026年11月12日から13日に幕張メッセで開催されることも触れられた。
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