AIの使い放題に近づくには、結局、電力とGPUがいる。
Anthropicは5月6日、SpaceXとの計算インフラ提携を発表し、あわせて「Claude Code」と「Claude API」の利用上限を引き上げた。SpaceXの「Colossus 1」データセンターの全計算容量を使う契約で、Anthropicは1ヵ月以内に300メガワット超、NVIDIA GPU 22万基超の新たな容量へアクセスできるとしている。
まず変わるのは、開発者向けのAIエージェントツール「Claude Code」だ。Pro、Max、Team、シート単位のEnterpriseプランでは、5時間あたりのレート制限が2倍になる。さらにProとMaxでは、混雑時間帯にClaude Codeの上限が下がる仕組みも撤廃される。
計算資源はAPI側にも開放される。AnthropicはClaude OpusモデルのAPIレート制限を大きく引き上げたとしている。Claude Codeだけでなく、Opusを使うアプリや業務システムにも、より多くの処理を流せるようにする狙いだ。
Anthropicはここ最近、計算資源の確保を一気に進めている。Amazonとは最大5GW規模の契約を結び、2026年末までに約1GWの新容量を得る計画を発表している。GoogleとBroadcomとは5GW規模の契約を結び、2027年から稼働が始まる。
Claude Codeのように長時間にわたって駆動する開発支援ツールが伸びるほど、モデルの性能だけでは足りなくなる。返答の賢さの裏側では、どれだけGPUを押さえ、どれだけ電力を確保できるかが、そのままサービス品質に出る。
面白いのは、AnthropicがSpaceXとの「軌道上AI計算資源」の開発にも関心を示している点だ。今回の発表では、SpaceXと複数ギガワット規模の宇宙空間のAI計算容量について協力する可能性にも触れている。すぐ実用化される話ではないが、AIインフラが地上のデータセンターだけで完結しなくなる未来を感じさせる。
AIサービスの競争は、モデル名やベンチマークだけでは見えにくくなっている。ユーザーにとっては「今日はどれだけ使えるか」「途中で止まらないか」「混雑時も動くか」が重要だ。Anthropicの今回の発表は、Claudeをより多く使わせるためのアップデートであり、その裏側にある計算資源争奪戦の表面化とも言える。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります







